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「ゴーストタウン」と呼ばれたオルドス市、破産の危機に直面

石炭産業への過度な依存が市財政を圧迫

2013年7月12日(金)

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 2013年6月10日、中国の会計監査院に相当する“中華人民共和国審計署(略称:国家審計署)”は、「36の地方政府における債務状況に関する会計検査結果」を発表した。36の地方政府とは、15省と3直轄市(天津市、上海市、重慶市)および15省都と3市轄区<注>を指し、国家審計署によってサンプル調査の対象地域として抽出されたものであった。この結果によれば、2012年末時点で36の地方政府が抱える債務残高は3兆8476億元(約61兆5616億円)で、2010年末に比べて12.94%増大していた。

<注>3直轄市の中にある「区」を意味し、天津市の南開区、上海市の虹口区、重慶市の合川区を指す。

積み上がる地方政府の債務

 国家審計署が記者会見で述べたところによれば、今回調査対象となった36の地方政府の2010年末時点における債務残高が全国の地方政府債務残高に占める比率は31.79%であった。国家審計署が2011年6月25日に発表した2010年末の全国の地方政府債務残高は10兆7175億元(約171兆4800億円)であったから、31.79%という比率から逆算すると、2010年末時点における36の地方政府の債務残高は3兆4071億元となる。一方、2012年末時点における36の地方政府債務残高が全国の地方政府債務残高に占める比率も31.79%だと仮定して逆算すると、後者は12兆1032億元となり、2010年末からの2年間で債務残高は1兆3857億元(約22兆1712億円)増えたことになる。

 このように地方政府の債務残高が2年前よりも12.9%も増大したことを背景にして、中国国内で再び注目を集めているのが、内蒙古自治区の“鄂爾多斯(オルドス)市”である。オルドス市は米誌「タイム」が2010年4月5日号で同市の行政地区“康巴什(カンバシ)新区”を「最も殺風景なゴーストタウン」と報じたことで世界的に知られるようになり、それを契機として、オルドス市は中国メディアによっても大きく報じられた。「ゴーストタウン」を中国語では“鬼城”と言うが、オルドス市は“鬼城”として中国国民に知られるようになり、その“鬼城”を見物しようと観光客が集まるようになったのである。かく言う筆者も、遅ればせながら、2011年7月にオルドス市へ出向いて“鬼城”の実態を視察した。

 その視察結果は、2011年8月19日付の本リポート「現地リポ:『中国のドバイ』はゴーストタウン」で報告したので参照願いたいが、簡潔に紹介すると以下の通りである。

 オルドス市の旧市街である“東勝区”から南に約30kmの地点に建設されたのが、米誌「タイム」によってゴーストタウンとして報じられた「カンバシ新区」である。オルドス市政府はカンバシ新区に100万都市を建設する計画を立て、2006年7月には市政府および市直属の51機関が東勝区からカンバシ新区へ移転した。しかし、こうした市政府の意気込みとは裏腹に、カンバシ新区では高層住宅群が雨後のタケノコのように続々と建設されてはいるものの、その大部分が空室のまま放置されているのが実情であった。カンバシ新区は日中でさえも人影はまばらであり、夜になれば無数の高層住宅群が月明かりに照らされて浮かび上がり、正にゴーストタウンと呼ぶに相応しい佇(たたず)まいであった。一方、カンバシ新区に100万都市を建設する計画を支えていたものは、オルドス市の財政を潤す地下資源であり、その主体は価格の上昇で繁栄を続ける石炭であり、同市の確認埋蔵量は4860億トンで、内蒙古自治区の2分の1、全国の6分の1を占めている。

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「「ゴーストタウン」と呼ばれたオルドス市、破産の危機に直面」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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