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中国で初めて反原発デモが成功

わずか3日間、1000人規模のデモで計画が白紙になった理由

2013年7月17日(水)

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 中国広東省江門鶴山市で計画されていた原子力発電用ウラン燃料製造工場建設プロジェクトが、3日間にわたる地元民の抗議デモによって7月13日、白紙に戻った。「命が大事、GDPはいらない」「子供(孩子)が大事、核はいらない」--。そんなスローガンを掲げて1000人前後の市民が市政府庁舎前で工場建設反対の声を上げ、これを受けて市政府は工場建設計画を撤回した。

 中国ではPX(パラキシレン)工場の反対デモなど環境に影響を与えそうな工場建設プロジェクトをデモ(デモは当局の許可がないと行えないので、中国語ではこれを『散歩』と呼ぶ)で阻止するのが最近の市民運動の1つの潮流となっているが、原発関連でこの手のデモが行われ、いったん調印された計画を差し戻した例はこれが初めてとなる。日本でも関心が高いニュースのようで、それなりに報道されていた。

 日本のネットユーザーの間では、市民運動による原発関連計画の阻止が「あの中国」で実現したということがちょっと衝撃だったようだ。

 というのも、日本でも反原発金曜デモが呼びかけられ、ときに官邸前で数万人規模を動員したことがあったからだ。だが現状の何かを大きく変えるような影響力を伴わなかった。原発にもろ手を挙げて賛成する有権者は決して多くはないだろうが、少なくとも地方選で反原発を争点に掲げた候補は軒並み落選した。今度の参院選も反原発が争点として盛り上がっているとは言い難い。

 江門鶴山市の反原発燃料製造工場反対デモがわずか1000人規模で3日間起きただけで、市が計画を撤回したというのに、日本では数万人規模のデモが長期にわたって続いても、選挙の争点にすらなり得ない。これはなぜなのか。

 まさか、民主主義の日本が、中国の地方政府ほどにも民意を尊重しないということなのだろうか。日本の方が原発問題に対する意識が低いのだろうか。今回はこのあたりを考えてみたい。

3月に調印式が行われたが……

 江門鶴山市の反原発デモがどのように起きたかについて、広東省機関紙・南方日報が時系列にまとめているので、紹介しよう。

 昨年2月、原子力発電大手の中核集団(中国核工業集団)は原子力発電所に使うウラン燃料を製造する工場建設計画推進ワーキンググループを立ち上げ、専門員を江蘇、福建、広東、天津等の沿海部に派遣し、土地選定作業に入った。

 10月に江門鶴山市を筆頭候補として現地視察。11月、12月の2度にわたって鄧衛東・鶴山市発展改革局局長および市幹部らが、中核集団が四川省宜賓で稼働している核燃料工場を視察。鄧局長が南方日報に語ったところによると、「実際、この視察をするまで、放射能や汚染の問題があるかどうか心配だったが、行ってみると、工場のすぐ近くに普通の住宅地域があり、市民たちは特に文句を言うわけでもなく、工場の人たちも防護服を着ているわけではなく、普通の工員服姿だったので驚いた」そうだ。工場近くの住宅街の不動産価格はむしろ周辺区より高かったという。

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「中国で初めて反原発デモが成功」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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