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日本企業による強制徴用に、韓国の裁判所が初判決

発端は韓国最高裁の判断

2013年8月9日(金)

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 韓国の裁判所が初めて、「日本企業は強制徴用被害者に対して損害賠償をすべき」という判決を下した。この判決は海外でも取り上げられ、英ガーディアン英ファイナンシャルタイムズが、「Landmark ruling(画期的判決)を下した」と報道した。

 ソウル高等裁判所は7月10日、新日鉄住金に対して、強制徴用した被害者4人に1億ウォン(約900万円)ずつ支給せよとの判決を下した。7月30日には釜山高等裁判所が三菱重工業に対して、強制徴用被害者5人の遺族に8000万ウォン(約720万円)ずつ支給せよと判決を下した。

 釜山高等裁判所は、「三菱(現三菱重工業)は、原告らを広島に強制連行して劣悪な環境で重労働をさせながらも給料を支払わなかった。原爆が投下された後は、(原告らに)避難場所や食糧を提供する救護処置を行わなかった。これを賠償する責任がある」とした。請求額は1億ウォン(約900万円)だったが、同裁判所は、全額は認めなかった。新日鉄住金の被害者の強制徴用期間が2~4年だったのに対し、三菱重工業の被害者の強制徴用期間は1年ほどだったからだ。

 原告はこれに先立つ1995年12月に広島地裁において、三菱重工業を相手に損害賠償請求訴訟を起こした。この訴訟では、1999年に敗訴している。その後2000年5月、三菱重工業の釜山事務所がある釜山地方裁判所で、再び損害賠償請求訴訟を起こした。この第1審も原告の請求を棄却。2審を担当した釜山高等裁判所も同様の判決を下した。両裁判所は韓国の裁判所だが、日韓の両政府が1965年に締結した請求権協定に則って、未払い給料や、強制労働に対する慰謝料を日本企業に請求する権利は消滅したと判決した。

 ところが2012年5月、韓国の最高裁は「日韓の請求権協定は個人の請求権まで消滅させるものとは言えない」として原審を破棄。事件を釜山高等裁判所に差し戻した。それから1年以上過ぎた2013年7月30日、釜山高等裁判所は原告を一部勝訴とする判決を下した。

 今回の判決が出るまで、新日鉄住金との訴訟は16年、三菱重工業との訴訟は18年の年月がかかった。原告は80代後半から90歳で、裁判中に亡くなった方も多い。新日鉄住金と三菱重工業は上告するとしているので、最高裁判所が下す最終判決を見届けることができないまま亡くなる可能性が高い。

 大韓弁護士協会は7月30日、「釜山高等裁判所の歴史的判決を歓迎する。植民地時代の強制動員が不法であったことを認め、損害賠償を命じた。三菱重工業は上告して責任を回避するような非人道的蛮行を即刻中止すべきである。この判決を契機に韓国政府は日韓首脳会談を開き、被害者が生きている間に、植民地支配がもたらした問題を解決すべきである。三菱重工業は強制徴用被害者救済財団を設立し、問題の包括的な解決に乗り出すべきだ」という内容の声明を発表した。

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「日本企業による強制徴用に、韓国の裁判所が初判決」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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