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江青裁判以来の裁判ショー、薄熙来公判

予想外の反撃はシナリオか、真剣勝負か

2013年8月28日(水)

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 8月22日から山東省済南市の中級人民法院で始まった薄熙来裁判は、下手なテレビドラマよりも面白かった。

 「視聴者」の予想を完全に裏切る展開だった。少なくとも私は、完全失脚し、落ちぶれた姿をさらし、シオシオと罪状を認め汚職と職権乱用で懲役15年前後の判決を言い渡されて終わりか、と思っていた。

 だが、起訴状にある2件の収賄罪と横領罪、職権乱用についてはほぼ全面的に罪状否認。文化大革命を主導した四人組裁判で、激しい抵抗をみせた毛沢東夫人・江青を彷彿とさせる裁判ショーを国内外に見せたのだ。

権力闘争で政界から排除された薄熙来

 今さら説明の必要もないだろうが、薄熙来は前重慶市書記で2012年3月、失脚した。父親が八大元老の一人の大物政治家・薄一波という太子党(革命戦争の英雄の子女、二世政治家)サラブレッド。一時は政治局常務委入りするとの噂もあった。

 彼が失脚したのは表向き汚職容疑と妻、谷開来のニール・ヘイウッド殺害事件のスキャンダルだが、実のところは重慶市で毛沢東の文革を彷彿させるような大衆動員の政治キャンペーン「唱紅」と、マフィア・腐敗官僚撲滅キャンペーン「打黒」(その実、政敵官僚の一掃)によって大衆の支持を得て、中央権力の座をもぎ取りにいこうとする野心のすさまじさに、恐れをなした党中央が失脚させたのである。

 つまり権力闘争の結果、薄熙来は政界から排除された。薄熙来つぶしを主導したのは言わずもがな、前国家主席・胡錦濤であるが、同じ太子党仲間の習近平国家主席も、薄熙来が自分の地位をも脅かす存在とわかり、胡錦濤と組んだ。

 この薄熙来排除の権力闘争はすさまじく、薄熙来の容疑を固めた中央規律検査委員会の担当者らは、薄熙来を党籍はく奪にまで追い込んだ後の慰労会で全員、男泣きに泣いた、と聞いた。薄熙来を完全失脚させなければ、薄熙来を追い詰めた彼らが反撃に遭い、息の根を止められることになるからだ。

 だが党籍剥奪が決まった2012年9月から、起訴裁判に持ち込むまで長かった。薄熙来を司法で裁くことに抵抗する勢力が党中央に存在する。同じ太子党、革命戦争の英雄の子供たちである。彼ら太子党仲間には、互いに深い利権関係と家族・親戚のように情がある。

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「江青裁判以来の裁判ショー、薄熙来公判」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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