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中国の大がかりな「デマ退治」

ネットユーザーはデマを流した方に味方する

2013年9月11日(水)

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 中国のインターネットで今、大がかりな「デマ退治」が行われている。これを「ネット整風運動」と呼ぶ声もある。この呼び名には、「デマ退治」を非難するニュアンスがある。

 整風運動とは毛沢東が行った風紀粛正を建前とした反体制派粛清という権力闘争であったので、今回の大デマ退治も政治的な目的であると思われている。

 一般にデマを流すことは悪いことだ。ましてや、新聞記者やジャーナリストを名乗る者が「デマ」を流した場合は、その罪深さは深刻だ。

 だが、中国当局がキャンペーンとして「デマ退治」を行ったとき、ネットユーザーたちが味方するのは、不思議なことにデマを流した方である。デマを取り締まる当局に反感を持つのだ。それはなぜなのか。今回は中国における「デマ」の本質と背景について考えてみたい。

デマ拡散を商売にする集団も

 最近、興味をもって眺めていたのが、微博(マイクロブログ)で「大V」(大人気ブロガー)の称号がつけられている鳳凰週刊編集委員で人気ジャーナリストの鄧飛と山東省環境保護庁のオフィシャルアカウントとの間で、行われた「デマ報道」に絡む微博上での「対決」だった。

 鄧飛とは以前にお会いしたことがある。390万人以上のフォロワーを抱え、社会の闇を暴くスクープ公益報道で人気を博す。眼光鋭く「できる記者オーラ」を放つ正真正銘のトップ屋だ。微博を始めてからはその伝達スピードをフルに生かした報道でも知られる微博記者でもある。

 「デマ騒動」のきっかけは今年の2月に、鄧飛が微博で転載した1本の情報だった。山東省濰坊の多くの企業が工場排水を1000メートル以上の地下に高圧ポンプで流し込み、深刻な地下水汚染を引き起こしている、というものだった。このニュースは衝撃的で、全国で大きな反響を呼んだ。これを受けて新華社を含む中国の数多くのメディアが後追い取材を行った。

 山東省環境保護庁も715企業の排水状況を隠密調査し、最高10万元の報奨金をかかげて情報を求めたという。だが一部で、ボーリング工事にかかわったという匿名の土木企業の証言が得られたほかは、企業の工場排水違反の事実は確認されなかった。

 それから半年後の8月29日、湖北省武漢の公安当局が大型のネットデマ製造拡散集団を検挙した。600人のメンバーを抱えるその集団は、金銭と引き換えにデマを製造拡散させ年間100万元以上の利益を上げていたという。その取り調べの中で、集団が「大V」の称号を持つ約300アカウントを掌握し、フォロワー数にして2.2億人が知らずに「デマ」拡散に関与していたことなどが判明した。

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「中国の大がかりな「デマ退治」」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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