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中国市場、諦めるのはまだ早い

日系企業のターゲットとなる「新成功者」とは?

2013年10月9日(水)

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 昨年9月に尖閣諸島をめぐる問題が発生すると反日デモが中国全土で起こり、日本製品に対する不買運動も広がった。多くの日系企業は中国市場で業績が悪化しており、自動車販売は未だに前年実績を超えられないでいる。問題は反日感情だけではない。人件費の高騰や大気汚染、そして円安に伴う人民元高など、中国に進出している日系企業を取り巻く事業環境は累積的に悪化している。

 だが、中国市場を諦めるのはまだ早い。人口が13億人を超える中国は「世界の市場」であり、人件費の高騰は購買力の向上を意味するからだ。そして今、長く続いた高度経済成長によって、日系企業がターゲットとすべき新しい富裕層が拡大していると言う。中国で新成功者の消費行動を実地調査した博報堂研究開発局上席研究員の松浦良高氏(2013年6月まで上海博報堂市場企画本部長)に聞いた。

(聞き手は上海支局、坂田亮太郎)

昨年、反日デモが起きてから中国に進出している日系企業は軒並み苦戦しています。反転攻勢をかけるにはどうしたら良いでしょうか。

松浦:確かに日系企業は中国で厳しい状況に追い込まれていますが、消費市場としての魅力はますます高まっています。博報堂では生活者調査を海外でも行っており、その調査から最近、中国で今後の消費を牽引していく新しい富裕層が拡大していることが分かりました。これらの人々を我々は「新成功者」と名付け、消費行動や価値観について詳しく調べました。実際にたくさんの新成功者にロングインタビューを行い、更に中国の複数都市で家庭訪問も実施しました。

 その結果、新成功者は従来の富裕層とは消費行動が明らかに異なり、アプローチの仕方を間違えなければ日系企業の有望なターゲットになることが分かりました。

中国は社会主義国家にもかかわらず、共産党や国有企業の幹部は庶民とはかけ離れた豊かな生活を送っています。特に最近話題となるのは富裕層の2代目、「富二代(フーアルダイ)」ですね。親にコネとカネがあるので、高級車を乗り回し、贅沢な生活を享受していることが中国のマスコミでも問題視されています。

松浦:新成功者は、世界的に見れば中間層の上層部に位置する人々です。我々は4つの条件で新成功者を定義しています。従来の富裕層と比べながら、詳しくご説明します。

「新成功者の条件(1)実力がある」

 まず新成功者の条件は、本人に「実力がある」ということです。新成功者は有力大学を卒業し、外資系企業や大手民間企業に自らの力で入ります。中国は実力社会でもあるので、本人に実力があれば、若くても男女の差なくポジションはドンドンと上がり、それに伴って給与も増えます。

松浦良高(まつうら・よしたか)氏
博報堂研究開発局上席研究員。1997年学習院大学法学部法学科卒業、99年米ジョージ・ワシントン大学大学院修士課程東アジア研究専攻修了。2005年から、上海を拠点に中国ビジネスのコンサルティング業務に従事しながらも、上海同済大学客員教授も務めた。2013年7月より現職。著書に「新・中国若者マーケット」(弘文堂)、共著に『亞州未来図2010』(阪急コミュニケーションズ)、訳書に「現代中国の消費文化」(岩波書店)がある

 新成功者はスキルを向上させることにも貪欲です。大学時代に公認会計士など国家資格を取っている人も多く、就職してからも更に実力を付けるために大学院や専門の学校に通います。留学や海外駐在の経験を持つため、1つ以上の外国語を習得している人も少なくありません。仕事に真面目に取り組み能力もある新成功者は、結果として職場でも重要なポジションを任されることになり、更に良い収入を得ることになります。

 対する「旧成功者」は特権があるからこそ今の豊かな生活を維持しています。中には実力がある人もいるでしょうが、富二代などは親のコネや特権だけが頼りです。

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「中国市場、諦めるのはまだ早い」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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