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中国・新快報記者はなぜ逮捕されたのか

巨大企業の泥仕合の犠牲に?

2013年10月30日(水)

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 中国の新聞記者をめぐる状況がどうも不穏である。たとえば広東省広州市の「羊城晩報集団」傘下のタブロイド紙・新快報記者の逮捕事件。真相がはたしてどのようなものかはまだ分からないが、結果的に、記者は「金をもらって捏造記事を書いた」と自供し、逮捕直後に「記者を釈放せよ」と息巻いていた新快報は全面的に謝罪した。この事件は一体、何を意味するのだろうか。経過を整理して、その背景を探ってみたい。

「中聯重科ネガティブキャンペーン」

 逮捕されたのは陳永洲記者。1986年生まれの若い経済記者で、中聯重科という湖南省長沙市に本社を置く中国大手重機メーカーの不正や疑惑について十数本の記事を2012年9月から書き続けてきた。

 最初の記事「中聯重科 財テクによって、半年の利潤7億超え“虚増”」(9月26日)では、2012年上半期の重機市場が大幅に落ち込み、ライバルの三一重工や徐工機械や柳工などが軒並み20~70%の利潤減しているのに対し、中聯重科1社だけが20%以上の利益増を打ち出していることへの疑惑を報じた。翌日の続報で、その利潤が設立1カ月未満の子会社を叩き売ったことによるものだが、この不当なほど安売りされた子会社の買い手が中聯重科の主要株主の投資会社であり、いわゆる右手から左手に会社を移し替えただけで、7億元の利益増は「虚増」である、と分析した。

 さらに10月には、中聯重科の利益に占める研究開発費が異常に低く、その利益のほとんどが実質の売り上げではない保険会社などへの投資のリターンであること、メディア発表で報告されている技術開発費が売り上げの5~7%というのは虚偽であり、記者が独自で企業年報をめくって調べ上げた数字によれば、研究開発費は1%未満であることなどから、中聯重科が主張する「20年間で国有資本を900倍に増加したことは、創新主体の企業の意義を証明している」という評価は虚偽宣伝ではないか、と報じた。

 さらに今年に入って、三一重工総裁の向文波が微博で、名指しはしていないが中聯重科が国有資産の私有化を匂わすコメントをして、それに中聯重科会長助理の高輝が罵詈で反応したことを記事化し(1月7日)、また中聯重科の「畸形営業」手法が重機市場の健全な競争に悪影響を与えていると指摘(1月22日)。テレビメディアに5.13億元(約82億円)の巨額広告費を投入していることなどを「畸形営業」と評する(5月16日)など、「中聯重科ネガティブキャンペーン」と言っていいような記事を連発した。

 これらの記事を読んでいけばうすうす気づくのだが、背景には中聯重科と中国最大級、世界第6位の重機メーカー、三一重工との根深い対立がある。同じ長沙を拠点とした業界ナンバー1とナンバー2のライバル企業は、ことあるごとに衝突していた。

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「中国・新快報記者はなぜ逮捕されたのか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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