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本当にウイグル過激派のテロなのか

天安門・自爆テロ事件の裏側を読む

2013年11月6日(水)

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 すでに日本でも詳報されているが、やはり北京の「天安門テロ事件」に触れたい。

 10月28日正午ごろ、北京の天安門前で車が歩道の上の40人の観光客らを跳ね飛ばしながら東から西へ暴走し、毛沢東肖像画の眼下にある金水橋の欄干に激突した。車は爆発音とともに炎上、車内の3人が死亡したほか、跳ね飛ばされた観光客2人も巻き添えで死亡した。1人は広東人、もう1人はフィリピン国籍の女性。けが人の38人の中には日本人も含まれていた。5人が手術を受け12人が集中治療室に入った。

国際社会の冷めた反応

 この痛ましい事件について、中国当局は「ウイグル過激派によるテロ」と断定した。断定したのだが、国際社会では中国に対して「テロに遭った被害国」という同情もあまりなければ、「テロは許せん!」という怒りの声も起きていない。「本当にテロか?」「テロだとしても、中国共産党のウイグル圧政に原因がありそう?」といった、むしろウイグル族側に同情が寄せられ、「テロとの戦い」を掲げていた米国ですら立場保留だ。

 中国はこうした国際社会の姿勢にカンカンで、ウイグル族に同情的に報じたCNNなども名指しで批判している。では、なぜ中国の言い分は理解を得られないのか。事件を整理しながら、背景を考えてみたい。

 真昼の天安門という極めて政治的な場所で、三中全会(第三回中央委員会全体会議)を控えた政治の季節に発生したこの大事件については、大勢の国内外の観光客ら目撃者がいる。毛沢東肖像画のかかる天安門の前で車が炎上する写真は微博、ツイッターなどで瞬く間にネットで拡散された。

 当初は「交通事故かも?」といったニュアンスで一報が報じられたものの、すぐに車内に乗っていたのはウイグル族が含まれることが報じられた。「クラクションを鳴らしながら突っ込んできた」「別の車に追われているようであった」「少数民族文字が書かれたような旗がかかげられていた」といった目撃情報も飛び交った。

 その日のうちに容疑者として7人ないし8人の手配書が市内のホテルなどに回った。だが、こうも目撃者が多く情報が飛び交っているのに、事件の姿がはっきりとしてこない。

 30日には北京公安当局が、実行犯として車内で死亡した3人をウスマン・ハサン(33)、その母のクワンハン・ロイム(70)と妻のクリコズ・アイニ(30)と特定した。車の焼け跡からガソリン容器や長刀、鉄の棒、「聖戦」と書かれた旗などが見つかり、「周到に準備された組織的計画的な暴力テロ事件」と断定。事件発生当日のうちに共謀者5人が拘束されたことも発表された。拘束された5人は取り調べで「ウスマンたちとテロ活動実施のための共謀をしたが、彼の犯行後わずか10時間でこんなにすぐに逮捕されるとは思っていなかった」と供述した、という。

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「本当にウイグル過激派のテロなのか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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