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李克強の秘密指令だった「空き家調査」

不動産の供給過剰は2010年から把握されていた

2013年11月29日(金)

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空き家は6800万戸以上

 「全国には空き家が6800万戸以上ある」と経済専門家の“杜猛”は述べた。11月21日付の経済紙「国際金融報」は、「中国の不動産市場は生産過剰」と題する記事を掲載し、“中国企業資本聯盟”主席で“中華博士会”会長の“杜猛”にインタビューした内容を報じた。

 この杜猛の発言は中国社会に大きな反響を呼んだ。当該インタビューで杜猛が語った事柄の概要は以下の通り。

【1】杜猛が主席を務める中国企業資本聯盟の傘下にはいくつかの著名な不動産研究院がある。それら研究院の協力を受けて、中国企業資本聯盟が行った研究の結果によれば、都市部の分譲住宅の在庫量はすでに240億平方メートルを超えており、全国の空き家総数は6800万戸を上回っている。不可解なのは、これら空き家のうち“保障性住宅(低所得者向けの政策支援住宅)”が相当大きな割合を占めていることである。保障性住宅が空き家のまま放置されているという事実は、中国の保障性住宅政策には重大な誤りが存在することを示している。

【2】当該研究結果によれば、中国の住宅市場が生産過剰に陥った原因は、主として次の3点が考えられる。
(1)“三四線城市(地方の小都市および田舎都市)”<注1>の住宅が深刻な供給過剰に陥っていること。
(2)“一線城市(大都市)”では重大な分配の不平等による貧富の格差が顕著であること。
(3)各地で次々と“鬼城(ゴーストタウン)”現象が出現していること。

<注1>中国では“城市(都市)”を規模や経済力などにより四階級の“線”で区分している。大ざっぱに言えば、“一線城市”は大都市、“二線城市”は中都市、“三線城市”は地方の小都市、“四線城市”は田舎都市と考えればよい。

【3】“三四線城市”の調査結果によれば、現在これらの都市では分譲住宅が深刻な供給過剰に陥っている。中部地区のある四線都市では、地元住民は基本的にどの家庭も2戸以上の住宅を持っており、3戸や5戸の住宅を持つ家庭も珍しくはなく、住宅を所有しない家庭はほとんど存在しない。そのような状況にあるというのに、この総人口が70万人未満の“県級城市(県レベルの都市)”<注2>では、現在建設中の不動産物件が30棟以上あり、今後2年以内には5万戸以上の分譲住宅が市場に供給される。一方では、多数の地元民が出稼ぎや商売で次々と「省都」や北京・上海・広州などの大都市へ流入して不動産を購入しているのが実情である。このような県レベルの都市は中国国内にあまねく存在しており、“三四線城市”の不動産市場はすでに深刻な供給過剰にあることを示している。

<注2>中国の行政区分は、第一級の省(自治区・直轄市を含む)、第二級の市、第三級の県、第四級の郷・鎮となっている。

コメント3件コメント/レビュー

日本のサラリーマンでも「部下の成果は自分の業績、部下の失敗は部下の責任」、という中間管理職がいますよね。それをやってのける人が出世する国だという理解でよろしいでしょうか。(2013/11/29)

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「李克強の秘密指令だった「空き家調査」」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日本のサラリーマンでも「部下の成果は自分の業績、部下の失敗は部下の責任」、という中間管理職がいますよね。それをやってのける人が出世する国だという理解でよろしいでしょうか。(2013/11/29)

中国政府の動向は薄気味悪いが、その根幹は日本政府と相通じるものがあるようだ。(2013/11/29)

なるほど。日本でも増加する一方の空き家が問題になっているが、これは住民の老齢化及び跡継ぎの都市への移住などが要因だが、中国は新築家屋の空き家ということで問題がまったく別なのだろう。李克強氏への評価を行っているだが、ではどのような対策、施策を打ち出すのか、その端緒はあるのか、そのあたりにも触れて欲しかった。(2013/11/29)

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