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張芸謀監督、一人っ子政策違反で罰金へ

かつて体制を批判した監督は特権階級の象徴に

2013年12月11日(水)

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 今回はちょっと芸能ゴシップ的な話題である。すでに日本でも報じられたが、張芸謀監督(62)が一人っ子政策違反(超生)を認めた。どうやら巨額の罰金を支払うことになりそうだ。

一人っ子政策の中国で7人の子持ち?

 張監督は「紅い高粱」など数々の名作を生み、日本人にとっては中国人監督といえば張芸謀といっていいくらいの知名度があるだろう。また張監督が自らの映画の主演女優たちと浮名を流しつつも、その女優たちをスターダムに押し上げ続けたことも、映画通なら知っているかもしれない。

 有名どころではコン・リー(巩俐)やチャン・ツィイー(章子怡)である彼女らは、張監督と長らく公私ともにパートナーであったが、今は2人とも監督と別れて、コン・リーはシンガポール、チャン・ツィイーはハリウッドを拠点にそれぞれの人生を歩んでいる。

 今の妻の陳婷は2度目の結婚で、彼女との間に3人の子供がいる。最初の妻の蕭華との間にも長女がいる。そのほか愛人の間に3人ほど子供を設けている、らしい。陳婷と正式に籍を入れたのは昨年の11月。長男は陳婷19歳の時の未成年時の出産で、末娘は4歳半だというから、子供はすべて未婚時代に設けたことになる。とすると最初の妻との間の長女以外は、すべて法律違反の出産といえそうだ。

 中国にはご存じのように、人口抑制政策として1970年代末から「一人っ子政策」が導入されている。これは夫婦一組が設ける子供を原則1人に制限するもので、その政策に反してたくさん子供を産んだ場合、「超生」といってかなりの罰金がとられる。さらに未成年出産も未婚出産も違法だから罰金は何倍にも跳ね上がる。違反者の所得によっても高額化するので、張監督にかかる罰金がいったいいくらくらいか、と試算されたところ、最も保守的な数字で1億6000万元(26億円)に上る可能性があるという。

 これとは別に江蘇省の弁護士が、張監督を相手取って10億元の賠償金請求訴訟を提訴した。中国ではこうした公共利益のために弁護士や法律家が原告となる公益裁判を提訴されることがある。要するに1億数千元の罰金など、張監督にとっては屁でもない。罰金を払えればいくらでも子供を産んでいいというメッセージになりかねない。実際、そういう金持ちが増えている。ここは社会的制裁を裁判によって行い、罪の重さを自覚させるべきである、という主旨である。

 10億元のうち5億元を超生による公的損失の補てんとし、5億元を懲罰的賠償とした。もし裁判で賠償金を勝ち取れれば、貧困農村に還元するということだが、裁判所がこの訴えを受理する可能性は低いと言われている。

 ちなみに張監督の最初の妻の蕭華といは文化大革命中に下郷知識青年として農村にいる間に恋愛関係となり文革後の1978年に正式に結婚。このころはまだ映画監督でも著名人でもなんでもなかった。

 北京電影学院で映画づくりを学んだのは78年になってからだ。その後87年にメガホンをとった「紅いコーリャン」が彼の出世作となった。この主演女優・コン・リーが張監督の公然の恋人となり、これが原因で蕭華とは離婚した。

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「張芸謀監督、一人っ子政策違反で罰金へ」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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