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権力闘争の結果、糾弾の的になった張芸謀監督

超過出産をめぐる貧者と富者の現実

2013年12月20日(金)

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 12月4日、河北省“邯鄲(かんたん)市”の管轄下にある“邱県”の“梁二庄鎮”に属する“龔堡(きょうほ)村”で、“超生(超過出産)”に関わる問題で行き詰まった農民が農薬を飲んで自殺した。

妻子6人を残して自殺した農民

 死亡した農民は45歳の“艾広棟(がいこうとう)”で、後には、妻の“謝玉鳳(しゃぎょくほう)”と5人の子供(4女1男)が残された。一番下の男の子はまだ4歳で、父の死を知らずに天真爛漫に家の中を走り回っているが、女の子4人は茫然自失の状態にあり、妻の謝玉鳳は「子供たちの父親が死に、私たち一家6人はどうやって生きていけばよいの」と悲嘆に暮れていた。

 中国では1980年に始まった“独生子女政策(一人っ子政策)”と呼ばれる“計劃生育(計画出産)”が、30年以上経過した現在もなお依然として強い強制力を残しているのが実情である。このため、計画出産の規定に違反して超過出産すれば、“社会撫養費(社会扶養費)”という名目の“超生罰款(超過出産の罰金)”を徴収されることになっている。

 社会扶養費とは、規定以上の子供の出生により社会の公共資源の消費が増えることから社会事業に投入する経費を補填する費用とされている。<注1>

<注1>社会扶養費の詳細については、2012年5月11日付の本リポート「『一人っ子政策』違反の罰金総額は年間3630億円」参照。

 艾広棟と謝玉鳳の夫婦は男子誕生を念願したが、最初の子供は女子だった。次は男子と期待したものの、その後は立て続けに3回とも女子で、5人目にしてようやく授かったのが男子だった

 龔堡村のある住民は、「男子がいなければ、村では軽蔑される。だから誰もが先を争って男子を生む」と述べたが、村人たちは艾広棟が規定違反の超過出産をしたことに十分な理解を示している。農村では依然として“重男軽女(男尊女卑)”の伝統的観念に縛られているため、男子が生まれるまで子供を生み続けることに何の抵抗も感じないのである。

 艾広棟の家は龔堡村の西の外れにあり、村内で最も老朽化した住宅で、屋内の壁には石灰が塗られておらず、昼間に電灯をつけても薄暗いほどだった。その中でひときわ目立つのはオンドルの周囲に張られた何枚もの“男宝宝(男の赤ちゃん)”の絵<注2>であった。艾広棟と謝玉鳳は結婚してから10年以上も男の子の誕生を待ち続けたのだった。

<注2>農村では男の子の誕生を切望して、室内に男の赤ちゃんの絵を飾る伝統がある。

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「権力闘争の結果、糾弾の的になった張芸謀監督」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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