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2013年韓国の流行語は「創造経済」

「創造」の公約は実現できているのか?

2013年12月25日(水)

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 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が掲げる国家経済戦略は「創造経済」である。同大統領は数々の新規政策を発表している。そのすべてが「創造経済」という枠の中で動いている。

 朴大統領は創造経済を担当する新官庁として、「未来創造科学部」を2013年4月に立ち上げた。同大統領が「未来創造科学部に韓国の未来がかかっている」と発言したため、韓国の全省庁の中で「未来創造科学部」が最もパワーのある省庁とみなされるようになった。韓国の主な経済政策にはすべて未来創造科学部が関与している。

 未来創造科学部は創造経済を次のように定義している。

「創意力を経済の核にして、新しい付加価値・雇用・成長動力を生み出す経済」 「国民のアイデアとICT(情報通信技術)・科学技術を融合することで、イノベーションが起こり、新しい市場が生まれ雇用が増えること」

 朴大統領は、「韓国は今まで先進国を追いかける立場だったが、これからは他の国をリードする立場になる」ことを目指している。このため大手企業に対して追いかけるのではなく世界市場をリードするよう要求している。それを後押しするための政策が創造経済というわけだ。

 朴大統領のスローガンに合わせて、他の省庁や自治体も、政策名に「創造経済」の文字を入れるようになった。「創造経済実現のための○○政策」という具合だ。大学も「創造経済フォーラム」「創造経済に向けた○○研究」という名前をつけることが増えた。民間企業まで「創造経済のための新商品開発」と謳うようになった。「創造経済」は流行語といっても過言ではないくらい韓国中に広がった。

 野党は「政策の中身はそのままで名前だけ創造経済に変えた」「創造経済という言葉だけが一人歩きしている」と批判的だが、産学官が「創造経済」をキーワードにしてここまで一致団結するのはすごいことだ。

国民からアイデアを募集

 こうした動きがある一方、国民の間には「創造経済と言われても、それが何なのかよく分からない」という意見が多かった。こうした指摘を受けてのことだろうか、未来創造科学部は2013年9月にサイバー展示館をオープンさせた。「創造経済とはこういうものだ」という事例――電子政府、ヘルスケア、スマート教育、スマート電力など――を紹介している。

 創造経済の柱は国民のクリエイティブなアイデアだということで、未来創造科学部は創造経済に参加するよう国民にも呼びかけている。未来創造科学部は、「創造経済タウン」と呼ぶウェブサイトを運営し始めた。国民がアイデアを書き込むと、それを選別してビジネスにできるよう支援するものだ。

 未来創造科学部は12月、「創造経済博覧会」も開催した。創造経済タウンに投稿されたアイデアをから生まれたビジネスの製品などが体験できる。博覧会には朴大統領も出席し、「創造経済を実現するための戦略をより具体化し、持続的に支援する」と強調した。

 未来創造科学部はサムスン電子と共同で、高校生と大学生を対象に「Tomorrow Solutions」というコンテストも始めた。これは官民が協力して創造経済を実現するためのアイデア発掘と人材育成を目指すものである。

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「2013年韓国の流行語は「創造経済」」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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