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大卒予定者727万人、中国は史上空前の就職難

かつて重宝がられた海外留学帰国組は今や見る影なし

2014年1月10日(金)

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 中国で今年6~7月に大学を卒業する学生の数は、昨年の699万人より28万人増えて727万人となる見込みである。

 1997年7月にタイから始まったアジア通貨危機による経済不況に刺激を与えようと、中国政府は1999年に高等教育システムの拡大を決定し、大学の入学枠を大幅に増大した。この結果、1999年には85万人に過ぎなかった大学卒業生は、2003年には212万人となり、2005年:338万人、2006年:413万人、2008年:559万人、2009年:610万人、2012年:680万人と年々増大し、2013年には699万人となった。そして、今年はついに700万人の大台を突破して727万人となると予定されているのである。

 2013年6月9日に、高等教育データ企業“麦可思(Mycos)”が発表した『2013年中国大学生就職報告』によれば、2013年の大学卒業生の就職率は、2013年4月10日までの時点でわずか35%に過ぎなかった。同時点における大学院生の就職率はさらに過酷な状況で、わずか26%に過ぎなかった。2013年3月に国家主席となった“習近平”は、こうした大学卒業生の厳しい就職難の状況に注意を払い、就任直後の5月に天津市で間もなく卒業予定の大学生に接見した際に、就職に高望みをせず、末端の仕事を受け入れて、「普通の職場で最良の成果を上げるように」と励ましたという。

764万人が一斉に就職活動を展開

 国家発展・改革委員会が発表した2013年7月1日までの大学卒業生の就職率は73.3%で、2012年の同期と比べて2%低かった。2013年末における最終的な就職率は公表されていないが、恐らく85%前後かと思われる。2013年の大学院修士課程の募集枠約54万人および海外の修士課程留学者を数万人として計算すると、その合計は約60万人となる。全卒業者数の699万人から60万人を引いた639万人の85%、すなわち543万人が就職し、残りの15%、すなわち約96万人が就職できず就職浪人になったことになる。この就職浪人約96万人に2014年の大学卒業予定者727万人を加えた約824万人が2014年の新規採用を求めて就職戦線に参入することになる。

 ただし、2014年大学卒業予定者にも大学院修士課程への進学者と海外の修士課程留学者が合計60万人程度はいるだろうから、実質的な就職戦線参入者はこの60万人を差し引いた764万人程度になると思われる。

 ちなみに、日本の場合はどうなのか。日本の総務省統計局の平成23年(2011年)統計によれば、高等専門学校、短期大学(本科)、大学(学部)、大学院の卒業生数の合計は72万8768人であり、このうち就職者数は45万8675人、進学者数は10万5203人となっている。従い、就職戦線参入者は、中国の約764万人に対して日本の約46万人となり、実に16.6倍もの開きがある。

 764万人もの大学卒業予定者と就職浪人が一斉に求職活動を展開するとなれば、人気のある有力企業にはものすごい人数の就職希望者が殺到することになる。

コメント4件コメント/レビュー

「中国の約764万人に対して日本の約46万人となり、実に16.6倍」とは驚きだ。日本は少子高齢化で若い人口が減っているとは言え、日本の11倍の人口を持つ中国の大卒の数が16.6倍と言う事は、若しかして大学進学率で日本を超えている可能性もあるのか!私は中国で一年間働いた事があり、その時に友人から、「一族の中で優秀な子供に金を上げて大学まで行かせる。」という話を聞いた事がある。それは親身になってと言うよりも見返りを期待して、という事であった。この記事の指摘が事実で、中国で「進学バブル」が弾けたとすると、貧しい人が一族の中で優秀な子供を大学に行かせるという行為が激減するのではないか。そうすると、「貧しくても頑張ればより良い暮らしを手に入れる。」可能性は益々少なくなる。中国政府は本気で貧富の差を縮める努力をしないと革命が起こるかも知れない。中国の過去の歴史では常にそうだった。もう「豊かになれる人だけでも豊かになれば良い。」という?小平の言葉は一旦ご破算にするべきだ。(2014/01/10)

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「大卒予定者727万人、中国は史上空前の就職難」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「中国の約764万人に対して日本の約46万人となり、実に16.6倍」とは驚きだ。日本は少子高齢化で若い人口が減っているとは言え、日本の11倍の人口を持つ中国の大卒の数が16.6倍と言う事は、若しかして大学進学率で日本を超えている可能性もあるのか!私は中国で一年間働いた事があり、その時に友人から、「一族の中で優秀な子供に金を上げて大学まで行かせる。」という話を聞いた事がある。それは親身になってと言うよりも見返りを期待して、という事であった。この記事の指摘が事実で、中国で「進学バブル」が弾けたとすると、貧しい人が一族の中で優秀な子供を大学に行かせるという行為が激減するのではないか。そうすると、「貧しくても頑張ればより良い暮らしを手に入れる。」可能性は益々少なくなる。中国政府は本気で貧富の差を縮める努力をしないと革命が起こるかも知れない。中国の過去の歴史では常にそうだった。もう「豊かになれる人だけでも豊かになれば良い。」という?小平の言葉は一旦ご破算にするべきだ。(2014/01/10)

であれば、今こそ日本企業は、優秀な中国人を現地で採用し、日本へ連れてくると良い。絶好のチャンスではないか!。混同してはいけないのは、遠ざけるべきは「共産党政府とその傀儡」であって、優秀である人間は積極的に採用し、日本企業の底力を高めておくべきだ。外交は強かに、現実は冷静に。中国で産まれてくる新しい若い知識層を取り込めば、日本は中国に対して、未来のワイルドカードを手に入れることができる。(2014/01/10)

中国の大学生の就職事情について詳しい紹介、大変勉強になった。これを読んで改めて思ったことは、このような多数の競争の中から企業や政府機関に入ってくる学生がいかに優秀かということだ。これまで体験的に私が接触してきた中国の人たちが優秀だということは分かっていたら、これからはますます優秀な若者が出てきて、これでは自虐的と叱られそうだが、日本の若者の現状を考えると心配だ。もちろん日本の若者にも優秀な人材がいるが、要するにその絶対数が少なく中国に叶わないということだ。(2014/01/10)

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三品 和広 神戸大学教授