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中国が抱えるもう1つの時限爆弾「食糧問題」

国際食糧需給を揺さぶる可能性も

2014年1月15日(水)

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食糧安保政策が中国の最重要課題に

 日本ではあまりニュースにならなかったが、昨年12月に行われた中央経済工作会議、つまり中国共産党の2014年の経済の指針を決める重要会議の主要6大テーマのうち、筆頭は食糧安保であった。

 「誰が中国を養うのか」というのは、1994年に米民間シンクタンク・地球政策研究所長のレスター・ブラウンがすでに提起していたが、21世紀に入ると中国の経済発展の影に隠れてあまり表沙汰に議論されることはなくなっていた。

 食糧生産量は連続10年増加しており、中国に食糧リスクがあるということを政府としては、あまり声高には言わずにきた。なにせ半世紀前には飢餓地獄を経験し、その歴史の記憶をまだ根強く持つ国なので、食糧危機は口にするのも恐ろしい事態なのだ。

 ところが2012年は、食糧需給率が90%を切ったといわれ、そうも言っておられなくなったのだろう。にわかに食糧危機、食糧安保という言葉がメディアに露出するようになってきた。習近平国家主席も会議前に山東省に視察に行き、「食糧安保は中国の恒久的な課題であり、いかなるときも気を抜いてはならぬ」と官僚らを叱咤したという。

 中央経済工作会議後に行われた中央農村工作会議では政治局常務委7人全員が出席。2014年の中央1号文件(党中央および国務院が1年で最初に出す政策に関する文書、党中央が一番力を入れる政策テーマがとりあげられる)に食料安全保障が打ち出される方向で具体策が話し合われたと言われている。

 中国が抱えるもう1つの時限爆弾・食糧問題について整理してみたい。

 中国が目標値として掲げている食糧自給率は、国家食糧安全中長期計画(2008~2020)によれば何としても95%以上でなければならない、という。数字の根拠はよく分からないのだが、中国自身は周辺国といつ何時、緊張状態に陥るかもしれぬ、という予測をもってエネルギーや食糧や国防の中長期計画を立てているということである。

 そうでなくても、13億人口を抱えた国が何割もの食糧を国際市場に頼ればそれだけで、価格を変動させ、世界の食糧需給を揺さぶることになる。

 だが、その目標値を裏切って、2012年の中国の食糧輸入量は7236万トン(大豆を含む)となった。これは中国の年間食糧総生産の12.2%に相当する。言い換えればすでに自給率90%を切っていることになる。

 2013年の年間食糧生産は6億193万5000トンで、これは2004年以来最高の生産量であるが、豊作にも関わらず食糧輸入は多い。2013年10月の小麦の輸入量は前年同期比273.27%増、2013/14年度の小麦の輸入予定量は従来の予定750万トンから800万トンに上方修正し、1995年以来の最高水準となった。2013/14年度のトウモロコシ輸入は700万トンで、これは前年より400万トン増。あと5年もすれば中国が世界最大のトウモロコシ輸入国となるといわれている。

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「中国が抱えるもう1つの時限爆弾「食糧問題」」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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