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中国のロックの父、国民的歌番組に出演せず

一度は受諾した出演依頼を崔健が断った理由

2014年1月22日(水)

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 中国のロックの父、崔健をご存じだろうか。

 中国の1961年生まれの朝鮮族。中国でロックというスタイルの音楽を最初に広めたアーチスト。「自由」「反骨」といったロック音楽本来の力を備えた曲を生み出し続け1980年代の中国で一世風靡し、国外のアーチストにも影響を与えた。中国のボブ・ディラン、という人もいる。

 中でも86年にリリースされた「一無所有」(俺には何もない)という曲は、89年、自由と民主を求めて天安門広場でハンガーストライキをやった学生たちの間で愛唱された。この学生集会が軍に武力鎮圧されたのが「六四」と呼ばれる天安門事件である。

 この崔健をめぐる出来事が、この10日ばかり、ちょっと国内外メディアをにぎわしたので、今コラムで取り上げたい。

中国の紅白といえる「春晩」

 今年の春節(旧正月)は1月31日で、30日が旧暦の大みそか・除夕である。この除夕の中国での風物詩といえば、まず花火・爆竹で、次に「春晩」と呼ばれる歌番組「中国中央テレビ(CCTV)春節聯歓晩会」だろう。中国の人気歌手や芸人らが一堂に会して、延々と歌ったり踊ったり、芸を見せたりして年を越す。

 共産党の宣伝機関であるCCTVの番組であり、「政治的に正しい」ものしか登場しないし、演出もワンパターンで、午後8時からだらだらと午前1時まで生中継で放送されるので、私自身さほど面白いと思ったことはないのだが、年夜飯(大晦日のごちそう)でおなかがいっぱいになった後、まったりとこの番組を見るのが、中国の一般家庭の恒例行事といっていい。

 マンネリ、と思いつつ、これを見なければ、なんとなく春節を迎えた気がしない。ちょうど日本の紅白歌合戦みたいなものだろうか。一応、毎年、目玉になる出し物があり、昨年の春晩はセリーヌ・ディオンが映画「タイタニック」のテーマを熱唱し、中国の歌姫、宋祖英と中国の民謡「茉莉花」をデュエットするというサプライズ演出が話題になった。

 この春晩の今年の目玉が、中国ロックの父、崔健の初出場だというニュースが1月中旬に流れた。しかも「一無所有」を歌う予定、という。耳を疑った。

 民主化を求める学生たちがレジスタンスソングとして歌っていたことで、世界に知られるこの曲は、歌詞自体はラブソングといってもいい。一文無しの男が歌う愛である。だが、当時の中国にとって全く新しいロックのリズムと歌詞は自由を希求する時代そのものであり、天安門広場に集まった若者たちの気分を代弁した。

 崔健自身がそういう自由を求める若者の一人であり、天安門広場でギターを抱えて登場して、ハンガーストライキ中の学生たちの前で歌ったこともあった。「一塊紅布」(赤い布きれ)という政治的暗喩を含んだ歌を赤い布で目隠しして天安門広場で歌うパフォーマンスも有名だ。

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「中国のロックの父、国民的歌番組に出演せず」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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