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中国の記者証は孫悟空の「緊箍呪」か

記者証の更新で圧力をかける当局

2014年2月5日(水)

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 ニューヨーク・タイムズ(NYT)のオースティン・ラムジー駐北京記者が中国当局に記者証とジャーナリストビザの更新を認められず、中国を退去することになった。北京の中国外国人記者クラブは「このような行為は国際基準にもとる」と批判し、米ホワイトハウス報道官も「失望した」とコメントした。

 だが、中国外交部報道官は「外国人記者の『駆逐』とか強制退去とか、そういう問題は存在しない」と主張。中国側の言い分としては、ラムジーがタイム誌からNYTに転職したにもかかわらず、タイム誌駐在記者の資格で受けたビザのままで仕事をし、きちんと手続きを踏まなかったことが理由であるとしている。

 さらにラムジーのビザは本来年末で切れているのだが、「人道的理由」により30日間だけ特別延長してあげた、と恩着せがましく言っている。NYTはラムジーの赴任地を急きょ台湾に変えるという対応をしたが、NYTの新任記者にビザが出たという報道は見ていない。

 実は、中国当局がジャーナリストビザを出す、出さないという形で、取材に圧力をかけてくることはわりとよくあることであり、気に入らない記事を書く記者に揺さぶりをかけるときの常套手段である。

 私自身も現役北京特派員時代の2007年暮れに、外交部から記者証・ジャーナリストビザの更新を拒否されたことがある。「記者証」というと、本来取材特権を与えられた証しであり、フリーランス記者からは羨望の対象かもしれないが、中国における「記者証」は、中国人記者にとっても外国人記者にとっても自由をしばる「緊箍呪」(孫悟空の頭の輪っかを締める呪文)と言えるかもしれない。中国の記者証をめぐる問題について、再度考えてみたい。

記者証の更新で揺さぶりをかける

 ジャーナリストビザというのは、一般に年末に更新期がある。11月下旬ごろになるとまず外交部新聞司に外国人記者証の更新を申請する。通常なら3日、長くとも2週間程度で更新されるので、その新記者証を持って北京市公安局に行き、ジャーナリストビザ更新手続きを行う。

 ところが外交部がいつまでたっても記者証の更新に応じてくれないことがある。私のケースについて言えば、記者証更新申請をして、3週間以上しても更新できたという知らせがない。こちらから、記者証の更新はまだか、と問い合わせると、「まだだ」という。「通常なら遅くとも2週間もすれば更新できるのに、なぜ今回は遅いのか」と重ねて尋ねると、「技術上の問題」という。

 しつこく、早く出せとせっつくと、「記者証が更新されない理由は、あなたが一番よくお分かりのはずだ」と嫌味な答え方をする。はっきりと、こういう理由で記者証は更新しません、とは言わないことが多い。

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「中国の記者証は孫悟空の「緊箍呪」か」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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