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戦後初の閣僚級会議で「新章」に入った中台関係

結末は悲劇か、ハッピーエンドか

2014年2月19日(水)

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 2月の中国における政治的事件は、やはり台湾の王郁琦・大陸委員会主任が訪中し、張志軍・国務院台湾事務弁公室主任と会談したことであろう。

 現職大陸委主任の訪中は初めてである。というより、中台の公式の閣僚級対話は1949年以来の中台分断以来初めてである。カビの生えた表現ではあるが、中台関係の「新章」が始まったといえる。

 だが、この新たな中台の物語が行きつく先は、悲劇なのかハッピーエンドなのか。日本にも関わりのあることなので、ここで少し考えてみたい。

官の緊密化が進み新たなステージへ

 我こそが「1つの中国」の正統な政権という建前を互いに譲れない中国人民共和国と中華民国は、これまで相互の政府を公式に認めておらず、中台の話し合いは、(一応)民間機関である海峡両岸関係協会(中国)と海峡交流基金会(台湾)を窓口に行われていた(中国、台湾では中台関係を両岸関係と呼ぶ)。

 親中派・媚中派と言われる馬英九政権になってから、中国との経済関係緊密化と文化的な中華主義回帰が一気に進み、中台の経済的、文化的融和がかなり進んでいたが、今回の会談は、官の緊密化が進んだという点で、中台交流が新たなステージに上がったといえる。

 中台双方の指導者、つまり習近平国家主席と馬英九総統が歴史的な直接会談によって平和協定を結ぶ、というシナリオがすでに実現に向かって動き出している、ということだろう。その中台首脳会談が実現するとしたら、最も早い場合、今年の秋に北京で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力)の場ではないか、といわれてきた。

 結果からいえば、南京での正式会談に続いて上海の和平飯店で行われた2時間以上の両閣僚の「密会」では、台湾側が「北京APECの場での会談」を申し入れたのに対し、中国側が「ふさわしい場とは言えない」と拒否し、台湾側もそれで納得したと、台湾側の発表で伝えられている。

 しかし次回、できるだけ早い時期(今年上半期中)に張志軍が台湾に行き、引き続き話を詰めていくことは約束したという。

 一方、間髪おかず、連戦・国民党名誉主席が北京を訪問し、2月17日、習近平と会談した。表向き企業家や宗教家を引き連れての「純粋な民間交流」だが、中国側が最初に中台政治対話の構想を持ちかけたのは2012年2月に連戦が訪中した時だったといわれており、今回の訪中でも、まったくこの話題が出なかったとはいいがたい。

 一説によれば、馬英九と連戦は中台政治対話実現の功労者の名をかけて中国の寵愛を奪い合う対立関係にあり、中国側はその足元をみて、焦らす作戦に出ているという。国民党内部の権力闘争も絡み、状況は外からみるよりも複雑なようだ。

 中国側が「北京APECの機会」をこの期に及んで避けたのは、米国や日本の視線もあるAPECという場でやるよりも、もっと中国に有利な場所とタイミングを模索しているということか。

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「戦後初の閣僚級会議で「新章」に入った中台関係」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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