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上位10%の富裕層が総資産の3分の2を持つ中国

格差はすでに社会動乱発生の危険レベルに

2014年3月7日(金)

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 2014年2月22日、北京市西城区の“金融街”にある“北京金融街威斯汀大酒店(ウェスティンホテル)”の大ホールで、資産管理企業「宜信財富」<注1>と雑誌「財経」の主催による「2014年《財経》宜信財富・中国財富管理サミットフォーラム」が開催された。このフォーラムの席上で、宜信財富と“聯辦財経研究院”は連名で『2014年中国財富報告:展望と戦略』(以下「財富報告」)を発表した。この財富報告は宜信財富と聯辦財経研究院が、四川省“成都市”にある“西南財経大学”の「中国家庭金融調査・研究センター」の協力を受けて完成させたもので、そこには中国における富の不均衡を示す驚くべき実態が詳述されていたことから、メディアはこぞってその点に着目して報道した。

<注1>「宜信財富」の正式名は「宜信卓越財富投資管理有限公司」。同社は中国の資産管理業界のリーダー的存在と言われ、富裕層や資産家を対象とする資産管理サービスを本業としている。なお、中国語の“財富”とは「富(とみ)」「財産」を意味する。

 メディアが報じた財富報告の要点は以下の通り(<>内は筆者の解説)。

総資産の63.9%を所有

【1】中国で上位10%の富裕家庭が所有する資産は社会全体の総資産の63.9%を占めており、中国の家庭資産の分布は極めて不均衡である。

【2】2011年から2013年までの3年間で、中国の家庭資産は20%近く増大したが、そのうち不動産は27%近い増大を示した。中産階級の各種資産の増大に最大の貢献を果たしたのは不動産で、その貢献比率は76.8%であった。

<中産階級の資産増に76.8%もの貢献をしたのは不動産であるという意味は、中産階級の大多数が不動産投資により資産の増大を図っている実態を示している。中国における住宅価格上昇には彼ら中産階級が投資目的で行う住宅購入が大きな役割を担っている>

【3】家庭資産(家屋不動産を含む)の基準点を設定するとすれば、上位5%の富裕家庭の資産基準点は262.99万元(約4390万円)、上位1%の最富裕家庭の資産基準点は739.35万元(約1億2350万円)であった。すなわち、家庭資産が739.35万元を上回る家庭は中国の上位1%の最富裕家庭ということができる。一方、家庭収入の基準点を設定するとすれば、年間の平均収入が上位5%の富裕家庭は45.21万元(約755万円)、上位1%の最富裕家庭は115.17万元(約1940万円)となる。

<上記の金額は少ないように思えるが、貨幣価値を考えると、中国の人民元は日本円に比べて4~5倍の価値があり、262.99万元は1億7560万~2億1950万円、739.35万元は4億9400万~6億1750万円と考える必要がある>

【4】財をなした原因を見ると、創業したことによるものが、上位1%の最富裕家庭では56.1%、上位5%の富裕家庭では37%であった。全国的に見ると、創業によって財をなした家庭の比率は14.1%であり、地域分布で見ると、上位5%の富裕家庭のうちの78%が東部地区に集中している。

【5】資産の構成から見ると、上位5%の富裕家庭は金融資産が占める比率が7.4%、非金融資産が92.6%であるのに対して、上位1%の最富裕家庭は金融資産が6.7%、非金融資産が93.3%となっている。全国の家庭では金融資産が8.1%、非金融資産が91.9%であるから、富裕になればなるほど金融資産の比率が減少し、非金融資産の比率が増加する傾向が見て取れる。

<中国では投資手段が株式や不動産などに限定されているが、富裕になればなるほど資産管理企業などを通じて海外の非金融分野などへの投資機会が増大するということか>

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「上位10%の富裕層が総資産の3分の2を持つ中国」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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