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記者への暴行頻発で揺らぐ「香港の言論の自由」

真相は闇、対抗策は「皮肉とデモ」

2014年3月19日(水)

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 久しぶりに香港に来たのだが、日曜の銅鑼湾付近を歩いて、ちょっとびっくりした。人気百貨店「そごう」の門前で、何枚もの五星紅旗がたなびき、毛沢東の肖像画が飾られている中、紅衛兵風の扮装をした香港人たちが「愛祖国!」「売国奴になるな!」のシュプレヒコールを上げながら赤い毛沢東語録を振りかざしているではないか。ちょうど、その隣には「法輪功反対!国家分裂反対!」のアンチ法輪功デモが繰り広げられており、いやいや香港の中国化もここまで来たのか、まさか?と足が止まった。ところが、このパフォーマンスを眺めている観光客は「好!好!」と、まるで喜劇でも見るような笑顔で声援を送っている。

 「われわれ真の中国人は、どうして三鹿(中国乳業メーカー)の(中国で赤ん坊の健康障害を引き起こした)メラミンミルクを飲むことを恐れるだろうか? メラミンミルクを買おう! 中国製品を買おう! わざわざ香港に来て外国製品を買って、売国奴になってはならない!」

 紅衛兵コスプレの男ががなりたてると、見物客たちが手を振り上げて「ハオ!ハオ!」と叫ぶ。

「愛国」装い「嫌中国人」パフォーマンス

 そこでようやく合点がいった。つまりこれは、香港人たちの「嫌中国人」パフォーマンスである。中国人は香港に買い物に来るな!と言いたいのだが、それを「愛国」パフォーマンスに見せかけているわけだ。エントランス前で中国人買い物客に買い物するな、と騒がれる「そごう」にしてみれば大変迷惑なのだが、いかにも香港人らしい風刺、ユーモアには思わず「ハオ!」と掛け声の一つもかけたくなった。

 だが、これはこれで香港の複雑な心情を表している。つまり、香港ではもはや、中国人に対して「お前のことが大っ嫌いだ、イナゴ野郎め!」と面罵する「言論の自由」はなくなりつつある、ということかもしれない。中国人を批判するにしても、愛国を装わねばならないというメッセージでもあり、「香港の言論の自由」が、いや「中華圏の言論の自由」が今大変危機に直面していることを同時に表現しているのではないか。

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「記者への暴行頻発で揺らぐ「香港の言論の自由」」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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