• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

真相見えず、「弓の音にもおびえる」中国国民

昆明テロ事件は、本当にウイグル族過激派の犯行か

2014年3月28日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 3月1日の夜に雲南省の省都“昆明市”の“昆明火車站(昆明鉄道駅)”で発生した無差別殺傷事件は、死者29人、負傷者143人を出す大惨事となった。中国国内では“昆明3.01暴力恐怖襲撃事件(昆明3月1日テロ襲撃事件)”(以下「昆明テロ事件」)と呼ばれるこの事件は、大型ナイフで武装した男女8人(男6人・女2人)の集団によるものであったと、3月3日午後に事件の決着を宣言した地元公安当局は発表していた。

 ところが、3月4日夜にネットのニュースサイト“財新網(ネット)”が報じたところでは、1日の事件発生時に昆明鉄道駅へ突入して無差別殺傷を行った実行犯は5人(男3人・女2人)であり、現場から逃亡したと言われていた3人は事件発生2日前の2月27日に昆明市から南に200kmほど離れた「紅河ハニ族イ族自治州」(以下「紅河自治州」)にある“個旧市”の“沙甸鎮”で事前に逮捕されていたというのである。2月27日、8人のウイグル族からなる犯行グループは沙甸鎮で手製の爆発装置の実験を行っていた際に警官隊の急襲を受け、仲間3人が逮捕された。残る5人は逃走して車で昆明市へ移動し、3月1日に昆明鉄道駅で事件を引き起こしたのだという。

現場写真は30歳、公開写真は16歳

 3月2日夜12時以前には、地元公安当局は犯行グループが何人であったかを把握できておらず、現場の監視カメラや写真などの資料を分析した結果、最終的に刃物を持って犯行に及んだのが5人であることが判明したのだという。事件現場があまりにもむごたらしく、情報が錯綜していたことは理解できるが、事件発生から丸1日以上経過した時点で、ようやく実行犯が5人であったことを確認したというのはあまりにもお粗末と言わざるを得ない。

 このニュースが報じられると、地元公安当局が2月27日に犯行グループ8人を沙甸鎮で逮捕していれば、昆明鉄道駅における無差別殺傷事件が起こることはなかったとして、地元公安当局に対する轟々たる非難が巻き起こった。

 しかし、それは事実であったかどうかは疑問である。事件に遭遇した目撃者の証言では、犯人グループは長さ50cm~1mの長い刀で現場に居合わせた人々を殺傷したとする人が多いが、地元公安当局が示した凶器は刃渡り30cm前後のナイフに過ぎず、証言との差異が大きい。また、現場で負傷して捕捉された犯人は、現場写真を見る限り黒装束の30歳前後で冷酷な顔つきの女性だが、地元公安当局が公開した写真に写っていたのは、まだあどけなさが残る16歳の少女で、どう見ても無差別殺傷を行ったようには見えないのである。

コメント2

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

一覧

「真相見えず、「弓の音にもおびえる」中国国民」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授