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不法な大人に虐げられる乳幼児たち

「抗ウイルス剤無断投与」事件、続発の真相

2014年4月4日(金)

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 北京オリンピックの閉幕から18日目の2008年9月11日、中国政府“衛生部”は「近頃“甘粛省”を始めとする各地で乳幼児の泌尿器系の結石症例が多数報告されている」と発表した。その後の調査を経て、その元凶は、河北省石家荘市に本拠を持つ中国・ニュージーランドの合資企業“三鹿集団股份有限公司”(以下「三鹿集団」)<注1>の販売する三鹿ブランドの国産粉ミルクに含まれていたメラミンで、同粉ミルクを常飲していた相当多数の乳幼児がメラミンの過剰摂取による腎臓結石を発症していることが判明したのだった。

<注1>三鹿集団は、中国の“石家庄三鹿有限公司”とニュージーランドの乳業大手「フォンテラ(Fonterra)」との合弁企業。事件当時、中国の粉ミルク市場における同社の占有率は18%で、15年連続首位を記録していた。

五輪前の沈黙で被害30万人に

 この事件の深刻な状況が明らかになると、中国政府は速やかに三鹿ブランド粉ミルク(以下「三鹿粉ミルク」)の販売停止を命じると同時に、乳幼児の健康診断を全国規模で実施し、腎臓結石と判定された乳幼児の治療に全力を挙げた。

 この「三鹿粉ミルク事件」と通称される事件は、三鹿集団に原料乳を販売していた納入業者が、原料乳の購入基準の一つである「たんぱく質比率」を水増しするためにメラミンを混入していたことに起因する。三鹿集団はそのメラミン入り原料乳から粉ミルクを製造・販売したもので、製造管理および品質管理の責任を問われて破産に追い込まれた。中国政府の統計によれば、この事件で被害を受けた乳幼児の総数は30万人に及び、死亡者は6人であった。

 しかし、乳幼児の腎臓結石症状は、2008年6月に甘粛省の省都“蘭州市”の“解放軍第一医院”で第1号が発見され、当該患者は三鹿粉ミルクで育てられたことが判明していたもので、同医院から症例発生の報告を受けた甘粛省“衛生庁”は、7月には中央の“衛生部”に対して報告を行っていたのだった。本来なら衛生部は報告を受けた時点で事態を公表するべきだったが、世界が注目する北京オリンピックの開催を前に沈黙を余儀なくされ、この1~2カ月の公表先送りが乳幼児の被害を一層拡大したのだった。

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「不法な大人に虐げられる乳幼児たち」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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