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アップルに差す2つの影

「Haunted Empire」著者の感じたデジャヴと変転する帝国

2014年4月15日(火)

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 アップル創業者である故スティーブ・ジョブズの伝記は数多あるけれど、3月にアメリカで発刊された『 Haunted Empire 』 は、「ジョブズ後のアップル」について書かれた、恐らく初めてのまとまった本だ。

 経営コンサルタントの私から見ると、ほかの人にマネできない超人ジョブズの事績よりも、「普通の人」たちがその帝国を受け継いで、どのように経営していくのか、という事例の方がはるかに興味がある。カリスマ創業者が成功させたベンチャーが、必ず通らなければならない道であり、多くを学べるからだ(関連記事:「普通の会社」化するアップルの行方)。

 そしてこの本を書いたのは、米国育ちの日本人ライター、ケイン岩谷ゆかりさん。ジョブズ時代末期からその後しばらく、米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル在職中にアップルを担当していた。本を読んでみて、日本とアメリカのマルチカルチャー環境にいる彼女だからこそ書ける、独自の視点が私には感じられた。

 それで、早速サンフランシスコ在住の岩谷さんにお話を伺ってみた。

もう1つの背後霊の正体

 署名のHaunted Empireとは「(亡霊に)取り憑かれた帝国」の意味で、もちろん取り憑いているのはジョブズの亡霊である。この本ではアップルという組織がいかにジョブズという天才を軸に最適化されていたか、その軸が外れてどうなりつつあるのか、ということが、複数のアップル幹部の描写を通して分かりやすく描かれている。

 しかし私にはどうも、もう1つの「背後霊」が見えて仕方ない。

 岩谷さんも私と同様に、「普通の会社」へと変化せざるを得ないアップルの変転に興味があってこの本を書いたという。

 「もう何十年もたつのに、ソニーではいまだに『盛田さんがいたら』という話が出るんですよ。でも、創業者の盛田昭夫さんが退いた直後のソニー、というのをきちんと記録した本ってないんですよね。もしあったら、どこからどうして今の状況に至ったのか、という変転が分かると思うので、残念です。それで、私は今回、アップル変転の第一歩を記録しておきたい、と思ったのです」

コメント2件コメント/レビュー

私は世の中で言われる程スティーブ・ジョブズがすごい、とは思っていない。彼のカリスマ性は認めるが、それは話し方のテクニック等によるもので、製品の角申請と言う程の物ではない。彼が関わった製品群の第一の特徴は、「デザインや質感の良さ」である。それは初期のMACから一貫して変わらない。後一つの特徴はユーザインターフェイスが「使い易い」事に徹している事。どちらもジョブズが世に出した製品の特徴だ。然し、彼の関わった製品群が「革新的か?」と言えば、答えは「No!」だ。基本的に既存の技術を組み合わせた製品であるし、アイデアの多くはソニーが世に出した製品の物真似とも言える。かく言う私もMacBook、i-Pod、i-Phoneを持っているので、ファンの一人ではあるが、購入した最大の理由は「デザインの良さ」である。正直言って、MACでは動かないアプリも未だ未だ世の中には多く、仕方なしにMACにWindowsを入れて、必要な場合は都度再起動して切り替えています。オフィスも割高なMAC用を買って動かしています。然し、世の中はWindowsがDefact Standardである時代から明らかに抜け出そうとしている。ネットで発注や予約を行う事は常識となっているが、先進企業のサイトにもWindows + IE を前提としていて、iOSやアンドロイド端末では予約も出来ないものはある。日本ではなく、アメリカの世界的なホテルチェーンの話だ。今は企業よりも個人の消費者が新しい「もの」を引っ張っている時代だ。その意味に於いて、ジョブズは世界中の個々人の心に響くメッセージを送り続けた人だ。他方、世界で名前さえ知られていないサムソンの携帯のシェアはアップルのそれを上回っている。それがアップルの製品の物真似であっても、安くて良い物であれば売れてしまう。同じ機能なら安い方を選ぶのが今の世界だ。日本は時代遅れで、「物真似製品よりは高くても本物を!」という珍しい文化が未だに生きている。何十年も前に日本が出す製品は何でもかんでも「物真似」と言われた時代を経て、この様な文化が根付いたのだと思う。だから、ジョブズの亡くなった今でも日本ではiPhoneはサムソンを圧倒している。(2014/04/15)

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「アップルに差す2つの影」の著者

海部 美知

海部 美知(かいふ・みち)

エノテック・コンサルティングCEO

ホンダ、NTT、米ベンチャー企業を経て、1998年にエノテック・コンサルティングを設立。米国と日本の通信・IT(情報技術)・新技術に関する調査・戦略提案・提携斡旋などを手がける。シリコンバレー在住。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

私は世の中で言われる程スティーブ・ジョブズがすごい、とは思っていない。彼のカリスマ性は認めるが、それは話し方のテクニック等によるもので、製品の角申請と言う程の物ではない。彼が関わった製品群の第一の特徴は、「デザインや質感の良さ」である。それは初期のMACから一貫して変わらない。後一つの特徴はユーザインターフェイスが「使い易い」事に徹している事。どちらもジョブズが世に出した製品の特徴だ。然し、彼の関わった製品群が「革新的か?」と言えば、答えは「No!」だ。基本的に既存の技術を組み合わせた製品であるし、アイデアの多くはソニーが世に出した製品の物真似とも言える。かく言う私もMacBook、i-Pod、i-Phoneを持っているので、ファンの一人ではあるが、購入した最大の理由は「デザインの良さ」である。正直言って、MACでは動かないアプリも未だ未だ世の中には多く、仕方なしにMACにWindowsを入れて、必要な場合は都度再起動して切り替えています。オフィスも割高なMAC用を買って動かしています。然し、世の中はWindowsがDefact Standardである時代から明らかに抜け出そうとしている。ネットで発注や予約を行う事は常識となっているが、先進企業のサイトにもWindows + IE を前提としていて、iOSやアンドロイド端末では予約も出来ないものはある。日本ではなく、アメリカの世界的なホテルチェーンの話だ。今は企業よりも個人の消費者が新しい「もの」を引っ張っている時代だ。その意味に於いて、ジョブズは世界中の個々人の心に響くメッセージを送り続けた人だ。他方、世界で名前さえ知られていないサムソンの携帯のシェアはアップルのそれを上回っている。それがアップルの製品の物真似であっても、安くて良い物であれば売れてしまう。同じ機能なら安い方を選ぶのが今の世界だ。日本は時代遅れで、「物真似製品よりは高くても本物を!」という珍しい文化が未だに生きている。何十年も前に日本が出す製品は何でもかんでも「物真似」と言われた時代を経て、この様な文化が根付いたのだと思う。だから、ジョブズの亡くなった今でも日本ではiPhoneはサムソンを圧倒している。(2014/04/15)

米国アマゾンのこの本の現在のカスタマーレビューは、88レビューの内訳が5つ星33と1つ星39で完全に両極端に分かれています。この本は面白そうです。(2014/04/15)

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三品 和広 神戸大学教授