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セウォル号沈没事件で家族の悲しみが怒りに変わった理由

迷走する救難・捜索作業

2014年4月23日(水)

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 4月16日朝、客船セウォル号が韓国南西部にある珍島(ジンド)付近の海で沈没した。同号は6000トン規模の大型客船で、仁川港から済州に向かっていた。乗客は合計で476人。安山市ダンウォン高校2年生325人と教師14人も、修学旅行のために乗船していた。事故から5日が経った4月21日朝になっても250人以上が行方不明のままだ。

 事故発生直後、「客室で待機してください」という船内放送が流れた。これを信じないで、自力で船の外へ脱出した人は近くにいた漁船やヘリコプターに救助された。しかしほとんどの高校性が船内放送を信じて客室に残ったと見られる。テレビのニュースは懸命な捜索活動が続いていると報じているが、事故発生から5日間の間、1人として救助できていない。

 韓国中から笑いが消えた。テレビはバラエティー番組の放映を中止し、芸能人らはイベント、コンサート、アルバム発売などを中止した。救助活動に使ってほしいと多額の寄付をする人が相次いでいる。被害者家族が集まっている珍島体育館には、憔悴した被害者家族のためにと全国各地から着替えの服や毛布、衛生用品、健康食品などが届いた。少しでも力になりたいと、珍島体育館を掃除したり、被害者家族のために食事を作ったりするボランティアも後を絶たない。

モラルに反する行いが多発

 事故発生後の週末は行楽客が減り、ソウル市内も高速道路も閑散としていた。誰もがニュースにくぎ付けで何も手につかない状況が続いている。だが、韓国国民の怒りを誘うニュースばかり続いている。

「船長は、乗客には客室に残れと放送しながら、自分は乗客のふりをして真っ先に救助船に乗った」
「事故対策本部はあるが責任者がいないので救助活動は進まない」
「海洋警察と海軍、海洋水産部(部は省)は救助より責任転嫁に忙しい」
「長官と公務員らが被害者家族の前で記念撮影」

 被害者家族が集まっている珍島体育館には、6月4日に行われる地方選挙に出馬する候補らが次々にやってきては選挙運動をしている。与党であるセヌリ党のハン・ギホ最高委員は、「(遅れる捜索に抗議する被害者家族の中に)北朝鮮の指示を受けた反政府勢力が混じっている」といった内容の書き込みを自身のFacebookに残した。「子供を亡くして泣き叫ぶ親にそんなことが言えるのか」と非難が集中して、ハン最高議員は書き込みを削除した。ボランティア団体と称してやってきては被害者家族のための食料品を食べ、救護品を盗む破廉恥な人まで現われている。

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「セウォル号沈没事件で家族の悲しみが怒りに変わった理由」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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