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地盤沈下の「上海市」が「海上市」になる日

「治水」遅れ、全国で地盤陥没や水不足が深刻化

2014年5月9日(金)

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 2012年2月20日、中国政府“国務院”は、“国土資源部”、“水利部”など十数の部や委員会が共同で立案した『2011~2020年“全国地面沈降防治規劃(全国地盤沈下防止計画)』を批准した。これは、“長江(=揚子江)三角洲地区”、“華北地区”、“汾渭盆地”<注1>を主たる対象地域とし、(1)地盤沈下の現状調査、(2)地盤沈下の監視測定調査、(3)地下水くみ上げ規制とくみ上げ過剰地区の管理、(4)地盤沈下防止技術の開発などを実施することにより、重点地域における地盤沈下防止を促進し、地盤沈下が経済社会にもたらす損失を最大限減少させようとするものである。なお、この計画は中国で最初の全国を対象とした地盤沈下防止計画である。

<注1>“汾河(ふんが)”と“渭河(いが)”の流域にある平原を意味し、前者は山西省の中・南部、後者は陝西省の中部を指す。日本人には、後者は“渭水(いすい)”と言った方が馴染みやすいかもしれない。

50以上の都市、7.9万平方kmで200mm超の沈下

 中国では、こうした全国的な地盤防止計画を推進しなければならない程に、地盤沈下による災害が全国各地で発生しており、中国政府としては従来のようにただ手をこまねいて見ている訳にはいかなくなったというのが実情である。地球温暖化による海面の上昇と相まって、このまま地盤沈下が進行すれば中国の多くの都市が海水の脅威にさらされるようになり、数十年後には海水に覆われて消滅してしまう危険性すらある。地盤沈下の主要な原因と考えられるのは、地下水、石油、天然ガス、石炭などの過度な採掘である。

 上述した全国地盤沈下防止計画によれば、中国では目下のところ、50以上の都市が地盤沈下による災害に見舞われており、その分布は北京市、天津市、河北省といった沿海地区に止まらず、山西省や内蒙古自治区といった内陸地区を含めた20の省・自治区・直轄市に及んでいる。また、累計の地盤沈下量が200mmを超えている地区は全国で7.9万平方km(北海道の面積の95%に相当)に達しており、その面積は拡大を続けている。その内訳は、長江三角洲が1万平方km、華北地区が6.2万平方km、汾渭盆地が0.7万平方kmとなっている。

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「地盤沈下の「上海市」が「海上市」になる日」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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