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温州三江教会強制撤去事件の真相

宗教台頭が王朝交代招く歴史は繰り返すか

2014年5月20日(火)

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 近年の中国でキリスト教の弾圧が激化していると聞く。その象徴的な事件が、4月の浙江省温州市での三江教会の強制撤去事件だった。そういえば私の北京駐在記者時代の2007年にも、温州郊外の農村地域で教会撤去事件があった。抵抗する信者と警察が衝突し、流血騒ぎが起きていた。その事件について当時、新聞社の業務として担当していた「記者ブログ」サイトに書いたら、外交部から、でたらめを書かないでください、と「注意」が来た。私は「でたらめではない」と言い返して、知り合いのキリスト教信者からメール添付で送られてきた教会強制撤去現場の流血写真をブログにアップした。この一件が、後に激しく外交部に嫌われた原因の一つだと感じている。

2030年、中国が世界最大のキリスト教国に

 キリスト教問題は中国においてそのくらい敏感な問題なのだ。そして、その敏感度は最近、急激に増している。その背景には、2030年には中国が党と政府の意図に反して、世界最大のキリスト教国になってしまうという予測が流れ始めているからかもしれない。中国のキリスト教会で、今何が起きているのだろうか。

 三江教会事件について、説明しよう。浙江省温州市周辺というのは1867年にイギリス人宣教師・ジョージ・ストットが布教拠点にした地であり、中国でも特にキリスト教徒が多い地域の一つ。古くから「東洋のエルサレム」と呼ばれてきた。それだけに文革期、壮絶な宗教弾圧も経験し、おかげでこの地域の信者たちの信仰は強い。これまでも教会が信者の寄進によって建設されては、当局によって破壊される事件が起きてきた。ただ、それらはだいたい地下教会「家庭教会」と呼ばれる中国の非公認キリスト教のものであった。

 だが三江教会は違った。中国政府公認のキリスト教・三自愛教会だった。中国の宗教の公認、非公認の違いは、党の指導を受け入れるか受け入れないか、だ。カトリックの場合、司教の任命権がバチカンでなく、国家宗教事務局にあることを受け入れるかという点ではっきり分けられるが、プロテスタントの場合、結構、公認非公認の差があいまいだ。もともとプロテスタンティズムは文革前までは、党と緩やかに共存できており、党員が信者になっていたり、牧師が党員であったりという状況もあった。三自愛教会と家庭教会の違いは宗教活動が教会という建物の中に限定されているか、信者の家庭内で礼拝・集会を行うかの違いだけだ、といわれている。信者同士に対立もない。

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「温州三江教会強制撤去事件の真相」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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