• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

山西省の石炭成金の没落と教訓

結婚式に11億円かけた“煤老板”はなぜ拘束されたか

2014年5月23日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 山西省は“煤海上(石炭の海の上)”にあると言われている。それは全省の3分の1の地下には石炭が埋蔵されているからであり、中国の石炭の4分の1は山西省から来るとされる。山西省の経済はその大部分を石炭に依存していると言っても過言ではない。中国では“煤(石炭)”で財をなした企業経営者を“煤老板(石炭成金経営者)”<注1>と呼ぶ。中国で最も有名な富豪番付である“胡潤富豪榜(胡潤富豪ランキング)”の2005年度の「エネルギー部門富豪ランキング」には11人の“煤老板”が名を連ねたが、そのうちの9人は山西省の“煤老板”、すなわち“山西煤老板(山西省の石炭成金経営者)”であった。

<注1>“老板”は「個人経営の企業や商店の経営者」を意味するが、“煤老板”となるとそこに揶揄した「成金」の意味が含まれるのが一般的。

掘れば掘るだけ売れる。栄華極めた“山西煤老板”

 “山西煤老板”は有り余るカネの使い道に苦慮して、地元に豪邸を建て、北京市に豪華マンションを購入し、高級車を乗り回し、“夜総会(ナイトクラブ)”で豪遊し、さらには“二奶(二号)”や“小三(愛人)”を囲うなどして、庶民のやっかみ半分の噂話の主役となり、メディアも再三にわたって彼らの成金振りを報じたものだった。

 2006年8月頃までは平均価格がトン当たり400元(約6560円)程度で推移していた石炭価格は、2006年の後半から徐々に上昇を始め、2008年8月にはトン当たり1000元(約1万6400円)の最高値を付けた。この頃が“山西煤老板”の絶頂期で、石炭は掘れば掘っただけ売れるし、売れれば売れただけ儲かるから、植木等の「ドント節」ではないが、「“山西煤老板”は気楽な稼業ときたものだ。二日酔いでも寝ぼけていても、石炭を掘りさえすればカネが入る」という状態だった。

 ところが、2008年に山西省政府が炭鉱改革を目的とした「石炭資源統合計画」(以下「炭鉱改革」)の推進を決めたことで、中小炭鉱を経営していた“山西煤老板”は大きな影響を受け、大型国有炭鉱による合併や吸収による整理統合を迫られることとなった。しかし、“山西煤老板”の中には事業の成功に自信を持ち、自身の炭鉱経営を続ける者が多く、2008年から2011年までは石炭価格は高値を持続したことで、彼らの前途は洋洋かと思われていた。

 “山西煤老板”が最も多かったのは“呂梁市”であった。炭鉱改革の実施以前の呂梁市には炭鉱が355カ所あり、市所属の国有炭鉱1カ所以外は全て“山西煤老板”が経営する民営炭鉱であった。炭鉱改革の実施後も民営炭鉱は全体の70%を占め、2008~20011年の石炭価格高騰を受けて“山西煤老板”は大もうけし、もうけたカネを炭鉱規模の拡大に投入した。

コメント0

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

一覧

「山西省の石炭成金の没落と教訓」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

もう中山素平のような人物が銀行の頭取という形で現れることはないだろう。

佐藤 康博 みずほフィナンシャルグループ社長