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天津にゴーストタウン、5兆元が泡

始まったバブル崩壊、対策は政治改革のみ

2014年5月28日(水)

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 5月中旬に天津を訪れた。北京から高速鉄道で30分。港湾やコンテナターミナルが集中する唐沽地区まで1時間。首都北京に一番近い直轄市であり、東京と横浜のような関係に例えられる副都心である。その天津にわざわざ出向いたのは、天津市が事実上財政破たんとなっている、というニュースがちょうど話題になっていたからだ。「中国の未来のマンハッタン」を目指して鳴り物入りで開発されていたはずの響螺湾ビジネス区の工事が軒並み停止しており、中国最大規模のゴーストタウンが現れているとか。天津市だけでも7つのゴーストタウンが出来ているとか。本当かどうか、自分の目で確かめてみようと思ったのだ。

北京至近の直轄市、「絶対こけない開発」のはずが……

 ちょうど朝から雨模様の陰気な日だった。唐沽まで高速鉄道で行き、タクシーでまずは響螺湾ビジネス区に向かう。いわゆる浜海新区センタービジネス区のハイライトとなる開発地域で面積1.1平方キロ、総建設面積560万平方メートル、ビジネス、ショッピング、金融、コンベンション、観光などの機能が一体化した浜海地区の活力地帯、といった紹介記事が2012年11月の人民中国誌に掲載されていた。その当時は初期規模の街並みがすでにでき、一部「億元ビル」には企業誘致が始まっているということだった。

 だが、タクシー運転手に「ここが響螺湾ビジネス区」と連れてこられたのは、荒涼と静まり返った建築現場だった。小雨のけぶる向こうに、亡霊のように立ち並ぶ建設途中のビル群が見える。人の気配はなく、だだっぴろい道路は車が片手で数えられるほどしか通っていない。外見の建設が終わっているビルも、内装は未完成のまま。動いている建築現場はないかと、運転手にぐるぐるビジネス区内を走りまわってもらったが、行けども行けども、ゴーストタウン。ようやく見つけた現場作業員風の人に尋ねると、「給料をもらえないのに、作業する奴はいない。ここらあたり、もう2年くらい止まっているよ」と言い捨てた。

 中国の場合、工事が数年止まっても、しばらくしてから息を吹き返したようにプロジェクトが動き出すケースはある。資金が一時的に尽きて、2、3年現場放置、なんて言う事態は珍しくはないのだが、驚きは、ここが天津市浜海新区である、ということなのだ。首都北京から高速鉄道で1時間以内、渤海湾に面した最高の立地にあり、温家宝前首相の故郷で、現副首相、党中央政治局常務委員という指導グループの一人である張高麗氏がつい1年前まで市党委書記として開発の音頭を取っていた。絶対こけない開発プロジェクト、とまで言われた天津市浜海新区であるということなのだ。

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「天津にゴーストタウン、5兆元が泡」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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