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埋葬改革で4.5万個の棺桶を強制接収

火葬を国是としながら、火葬率は5割に満たず

2014年6月6日(金)

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 北京紙「新京報」は5月28日付で「安慶の“殯葬(埋葬)”改革、挫折から改めて再開へ」<注1>と題する記事を掲載した。この記事は中国国内の多数のニュースサイトに転載されて大きな話題となったが、その後当局から削除指示が出された模様で、ネットで検索しても当該記事は見当たらないし、新京報の電子版でも読めなくなっている。それは、当該記事が当局にとって敏感にならざるを得ない内容を含んでいるということなのだろうが、その要旨を取りまとめると以下の通り。

<注1>“殯葬”とは「出棺と埋葬」を意味するが、改革の力点は埋葬にあるので、「埋葬」と訳した。

伝統の土葬廃止に悲嘆、老人の自殺が続発

【1】“安慶市”は安徽省西南部にあり、湖北省と境を接し、“長江(揚子江)”を挟んで江西省に対面する要衝に位置する都市で、かつては安徽省の省都でもあった歴史を持つ。2013年末時点の常住人口は535万人であり、65歳以上の老人が常住人口に占める高齢化率は14.8%で、すでに「高齢化社会(7~14%)」を過ぎて「高齢社会(14~21%)」に突入している。その安慶市では先頃「埋葬改革」が実施されることとなり、6月1日からは同市の住民は都市部、農村部の区別なく、死亡したら規定に基づいて“火化(火葬する)”ことが求められることになった。ところが、この改革政策が発表された後、安慶市の管轄下にある“桐城市”の周囲50km圏内で6人もの老人が死後に火葬されることを嫌って自殺したことが判明したのである。

【2】安慶市周辺では人が死んだら遺骸を“棺木(棺桶)”に収めて土に埋める「土葬」が伝統的な埋葬方法で、人々は老年が近づくと事前に自分のための棺桶を準備し、死後はその棺桶の中で永久の眠りに就くのが長年の風習である。6人の老人たちは死後のために準備して来た棺桶が強制的に接収され、6月1日以降は遺骸が火葬されると聞いて動揺し、心の負担に耐え切れず、そうなる前に棺桶で土葬されようと自殺したものと考えられた。

【3】安慶市は、1994年に公布された『安徽省埋葬管理弁法』の規定に基づき、辺鄙な“岳西県”を除く全域を火葬地域と定め、火葬の普及に努めたが尻切れトンボに終わった。1997年に中国政府“国務院”が『埋葬管理条例』を公布して土葬を改革して積極的に火葬を推進することを規定した際も、安慶市の埋葬改革は停滞したままだった。2006年には改めて埋葬改革を推進すべく、大衆を動員して決起集会まで開催したが、これも中途半端に終わった。2013年5月のデータによれば、安慶市の火葬地域における年間死亡者数3万8000人のうちで火葬されたのはわずか3500人余りに過ぎず、しかもその半数は都市部が占め、農村部の比率は限られたものだった。

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「埋葬改革で4.5万個の棺桶を強制接収」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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