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フランスよ、どこへ行く

欧州議会選挙が露呈した深刻なアイデンティティーの危機

2014年6月4日(水)

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 5月末に行われた欧州議会選挙は、EU(欧州連合)が直面する深刻な“病”を白日の下にさらけ出した。それが最も顕著に表れているのは、フランスである。

 フランスの極右政党フロン・ナショナール(FN)が、社会党と保守党を退けて、最高の得票率を記録して勝利したことは、フランスだけでなく欧州全体に強い衝撃を与えた。フランスの重要な選挙でFNがトップの座に立ったのは、今回が初めてである。その地すべり的勝利は、フランスの伝統的な2大政党制を破壊しかねない「大地震」と言える。

得票率をほぼ4倍に

 FNの前回(2009年)の欧州議会選挙での得票率は6.3%だった。今回は約4倍に増やして25%を記録。保守政党の国民運動連合(UMP)は20.8%、オランド大統領が率いる社会党はわずか14%にとどまった。

フランスでの欧州議会選挙の開票結果
(資料:欧州議会)

 フランスは欧州議会に74人の議員を送り込む。そのうち3分の1がFNの党員となる。

 5月25日の夜、マリーヌ・ル・ペン党首は、満面に笑みをたたえて勝利宣言。「FNの勝利は、フランスの政界地図を塗り替える。オランド大統領は国民にとって裏切り者だ。有権者はいま目覚め、偉大なフランスを復活させようとしている。(外国人ではなく)フランス人が自国で優先される時代が、ようやくやってきた」と獅子吼(ししく)した。

欧州議会選挙のポスター。右側がマリーヌ・ル・ペン党首。(筆者撮影)

 リベラルな思想を持つフランス人、外国人に寛容なフランス人たちは、FNの圧勝に茫然自失の状態である。彼らは今回の事態を「séisme(地震)」と形容した。私の知人のあるフランス人は「本当の破局だ」とつぶやいた。

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「フランスよ、どこへ行く」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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