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IKEAの韓国進出~消費者は喜び、家具メーカーは怯える

2014年7月2日(水)

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 家具の小売で世界最大手のIKEA(イケア)が韓国に進出する。2014年12月、ソウルから車で1時間ほどのクァンミョン市にIKEAコリア1号店をオープンさせる。クァンミョン市は韓国の新幹線KTXの駅があり、車がなくても交通の便は良い。1号店の建築延面積は25万6168平方メートルで、地下2階地上2階の4階建てになる予定だ。

 IKEAコリア2号店と3号店の建築予定地も既に決まっている。2号店は中小家具メーカーが密集するコヤン市に、3号店はソウル市の東にある住宅街に構える。IKEAコリアは2020年までに5店舗をオープンする計画だと明かした。

 IKEAコリアは6月から、ソウル市内の大型ショッピングモールに、モデルルームを展開している。低価格でありながらデザインが美しい「北欧スタイル」を提案。連日大勢の人で賑わっている。

 韓国でIKEAの好感度は高い。IKEAの韓国進出に、消費者は大いに喜んでいる。韓国は留学経験者が多いため、留学先でIKEAを使った経験のある人が多いからだ。また、韓国の消費者はIKEAが韓国に進出する前から、個人輸入や輸入代行を通じてIKEAの家具に慣れ親しんでいる。そういう人が口コミで「IKEAは低価格でデザインがよく品質も悪くない」という情報を広めている。韓国に正式な店舗ができることで、IKEAの家具やインテリア雑貨をより安く手軽に購入できるようになる。

非婚と不動産価格の暴落が家具需要を減らす

 韓国の家具市場はかつての日本市場とそっくりである。家具はとても高い買い物なので、一度購入すると長く使う。頻繁に買い替えるモノではない。デパートか専門店にあるサンプルを見て買うので、選択の幅は広くない。購入後は、配送業者が完成品を自宅まで運んでくれるか、専門家が部品を運び込み、組み立ててくれる。スーパーのような大きな売り場に展示されている豊富な家具を、自分で見て選び、自宅まで運び、組み立てる仕組みを提供するのは、IKEAが韓国で初めてである。

 家具は購入頻度が低いため、家具小売店の主な顧客は新婚夫婦かマイホームを買った中年夫婦だ。しかし、韓国人のライフスタイルは変わりつつある。結婚もしないし、不動産価格の暴落でマイホームが売れなくなったので、転売して引っ越す世帯が減り、家具も買わなくなった。

 世帯構成も変化している。2010年の人口調査では2人以下世帯が最も多かった。韓国全世帯の24.3%が2人世帯、23.9%が1人世帯だった。従来は、両親と子供2人の4人家族が中心だった。韓国統計庁は2035年になると全世帯の34.3%が1人世帯になると見込んでいる。

 こうした動向を背景に、家具を買い替える需要が縮小している。

 一方で、若い世代はより安い賃貸の住居を求めて引っ越しを繰り返すようになった。景気低迷が続き、収入が伸びないためだ。一生ものの家具よりも、引っ越しの時に邪魔にならない、折りたたむことができるシンプルな家具が人気を集めるようになった。

 また、分譲マンションが売れなくなったため、付加価値を高めるべく、クローゼットや食卓などの基本的な家具をビルトインにするケースが増えている。このため、家具を買う機会がますます減った。

 ライフスタイルが変わり、インテリアや家具ではなく、カーテンや布団カバーといった小物で楽しむようになった。

小企業が多く競争力のない韓国家具メーカー

 韓国家具産業協会によると、韓国の家具市場の規模は年々減少しており、2012年末時点で8兆5000億ウォン(約8500億円)となった。同協会は、「韓国の家具メーカーの85%を従業員5人未満の小企業が占めている。ただでさえ厳しい市場に低価格家具を販売するIKEAが登場すれば、韓国家具メーカーが大きな打撃を受けること間違いない」と見ている。

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「IKEAの韓国進出~消費者は喜び、家具メーカーは怯える」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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