• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

シリコンバレーに戻ってきた日本の企業たち

「ヨーロッパ並み」とはどういうことか

2014年7月30日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 その実行には、単に機器や工事の投資負担だけでなく、「無線塔建設に対する地元住民の反対」など、アメリカ現地の事情による障害がいくつも存在する。だからこそ、これまでスプリントはやりたくてもできなかったワケだが、 問題のありかは業界の人間なら誰でも知っていることであり、そこを資金力と「孫氏の兵法」で突破してくれるのでは、と私は密かに期待していた。

 だが、これまでのところ表に出てきたのは、日本の「白い犬のお父さん」を「ハムスターのお父さん」に翻案した、異様なだけで面白くもおかしくもないCM程度。設備増強が遅れ料金競争にも出遅れ、幹部社員の離散やネットワーク障害などが噴出し、スプリントはずるずると加入者を減らしている。ソフトバンクが何を考えているのか分からないが、さらなる買収にお金を使っている場合ではないような気がする。

 それでも、 現在の状況はスプリントとソフトバンクの個別事情からきており、日本企業だから妨害されているといった背景は存在しない。逆に、外国の企業で米国の事情が分からないから大目に見てほしいとか、そんな言い訳も通用しない。Tモバイルがドイツ企業の子会社であるとアメリカの消費者が全く意識していないのと同様、スプリント/ソフトバンクが日本企業だからどうこう、と考える消費者もいないし、アナリストや業界人も単に「個別企業」の問題としてとらえている。

伊藤園、ユニクロ、無印良品

 一方、もう一つ最近の傾向として私がパネルで挙げたのが、非IT企業の活躍だ。 数年前に当地にペットボトルの緑茶を持ち込んだ伊藤園では、ソフトウェア・エンジニアの集まりで無料配布するなどの営業努力を行い、現地企業のカフェテリアやスシのテイクアウト店などに置かれるようになっている(余談ながら、あの「おーいお茶」という男尊女卑的な響きのある商品名は何とかならないのか、と思うのだが…)。

 また、昨年大々的にサンフランシスコ地区で店舗展開したファーストリテイリングの「ユニクロ」や良品計画の「無印良品」は、独特のチープ・シックな店舗デザインや特徴ある製品で存在感を示している。

 いずれも、健康/エコ/シンプル志向な当地の住民の傾向に合わせた特徴をプッシュするマーケティングを行っており、必ずしも米国のほかの地域で受け入れられるかどうかは分からない。とはいえ、何しろ、お茶は日本茶だし、ユニクロの店員は法被(はっぴ)を着てはいるが、過度に「日本」を強調しても何もトクにならないし、逆に日本だからといってマイナスになることもない。

 この地で長く商売をしている、ホンダやソニーやキッコーマンのような企業にしても同様で、その昔のように「日本だからどうの」という見方をする人は今どきいない。

 確かに、雇用形態や意思決定方式など、日本の企業文化から来る問題が原因で、当地のビジネスがうまくいかないケースも多々あるが、それも含めて、それぞれの企業の経営の問題である。日本のユーザーが、グーグルやアマゾンやアップルを「アメリカ企業」という意識なく普通に使っているのと同じで、その地の顧客に合った製品やサービスを提供できるかどうかが問題なだけだ。

コメント5件コメント/レビュー

おーいお茶のネーミング。そういう見方もあったのかと驚きました。そういう連想をする人自身が、そういう見方を元々持っているのではと勘ぐりたくなりますね。指摘されなければ絶対できない発想でしたので。(2014/07/30)

「Tech MomのNew Wave from Silicon Valley」のバックナンバー

一覧

「シリコンバレーに戻ってきた日本の企業たち」の著者

海部 美知

海部 美知(かいふ・みち)

エノテック・コンサルティングCEO

ホンダ、NTT、米ベンチャー企業を経て、1998年にエノテック・コンサルティングを設立。米国と日本の通信・IT(情報技術)・新技術に関する調査・戦略提案・提携斡旋などを手がける。シリコンバレー在住。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

おーいお茶のネーミング。そういう見方もあったのかと驚きました。そういう連想をする人自身が、そういう見方を元々持っているのではと勘ぐりたくなりますね。指摘されなければ絶対できない発想でしたので。(2014/07/30)

「おーいお茶」で男尊女卑というのを聞いて、「ゲームボーイ」というゲーム機は男尊女卑だから「ゲームキッズ」にすべきだという騒ぎを思い出した。そんなちっぽけなことを気にして、人に広めて、何がしたいのか理解不能。「おーいお茶」という名前を変えたら世界が少しでも良くなるのか?男女差別のことを考えるにしても、もっと大きな差別が一杯あるのだからそっちに注力すべきだ。重要なことと些末なことを区別しなければ、騒がしくてコストが掛かるだけで、誰もハッピーにできないだろう。さらに言えば、この記事の中に男女差別の話を混ぜる必要はあったのか。自分で勝手に例として出して、自分だけが気になる欠点を指摘しているが、読んでいる人のことは考えているのか?いつも女性は差別されているのだということばかり考えていて、差別ネタを探しまわっているとしか思えない。ちなみに、この記事の主題に関して言えば、何が言いたいのかわからなかった。結論は何?企業は賢く金を使うべき?それって当たり前なんじゃないの?記事にする内容か?正直時間の無駄だった。新しいメディアが次々に現れる時代なのだから、日経さんも良く考えた方がいいのでは?(2014/07/30)

浸透していて目立たなければ、あって当たり前なわけですから、ニュースバリューがなくなるのは当然ですね。特に意識せずに付き合えるというのは付き合いやすいわけですから、本当に良いことだと思います。(2014/07/30)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

お客様が低価格に慣れてきている。

片岡 優 ジェットスター・ジャパン社長