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「インダストリー4.0宣言」が示す「パラダイム・チェンジ」の姿

ドイツが官民一体で進める「第4の産業革命」(2)

2014年8月21日(木)

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 「ドイツ技術科学アカデミー(通称アカテック・Achatech)」の会長ヘンニヒ・カガーマンら3人が発表した「第4の産業革命宣言」は、ドイツ政府、産業界、科学界が目指す道筋を示す極めて興味深い文書だ。この文書は、インダストリー4.0の要点すべてを網羅している。そこでこの文書を詳しく分析してみよう。

第4の産業革命宣言を読む

 この文書の中でカガーマンらは、「ドイツにはイノベーションを武器とする中規模企業が多く、新しい技術を次々に生産工程に導入してきた。このことが、ユーロ危機にもかかわらず、ドイツ経済が就業者数の減少を最小限に食い止めることができた理由の一つ」と述べ、この国の経済にとって不断の技術革新が極めて重要であることを強調。そして「高コスト国であるドイツが、国内に生産拠点を維持するには、インダストリー4.0を断行する以外にない」と主張する。

 彼は生産工程をデジタル化するインダストリー4.0を21世紀の重要なビジネス・モデルと位置づけ、「ドイツが第1バイオリンの奏者、つまり世界の先駆者となるべきだ」と訴えている。

 カガーマンによると、ドイツは既に自動車産業や機械産業において、ソフトウエアを多用した自動生産方式を導入している。だが、ドイツが製造業のリーダーとしての地位を守るには、生産工程の自動化を2020年までに次の段階、すなわち「物のインターネット(Internet der Dinge)」に進化させる必要がある。

 ドイツ人がインダストリー4.0をしばしば物のインターネットと呼ぶ理由は、この新しい生産方式がサイバー・スペースと、手で触ることができる伝統的な物の生産をつなぐ、架け橋となるからである。カガーマンはこの方式を「サイバー・システムと物理的なシステムの融合体(CPS=Cyber-Physical System)」と呼んでいる。CPSは、インダストリー4.0の基本となるシステムである。

 カガーマンは「インダストリー4.0は、センサーや自ら考えるソフトウエア、機械や部品の情報蓄積能力、相互コミュニケーション能力によって、生産工程を高度化する」と主張する。特にインダストリー4.0が第3の産業革命と大きく異なる点は、製造工程つまり工場がシステムを自ら監視し、自分で決定を行う能力を身につけることによって、企業がすべての生産工程をほぼリアルタイムで操作し、最適化できる点である。

 このリアルタイムの制御には、カガーマンが社長を務めた独SAPの財務ソフトが可能にした「売上高やコストのリアルタイムの把握」と、共通するものがある。ある意味でカガーマンは、SAPが財務管理で成功したことを、より大きな規模で製造業に適用しようとしているのかもしれない。

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「「インダストリー4.0宣言」が示す「パラダイム・チェンジ」の姿」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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