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「消費期限切れ」に厳罰は効くか

事件は年2300件超、告発の目的はカネと報復か?

2014年8月1日(金)

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 7月20日に上海市の“東方衛星電視(東方衛星テレビ)”(以下「東方テレビ」)が報じた“上海福喜食品有限公司”(以下「上海福喜」)による“過期肉(消費期限切れ肉)”の使用・供給事件は、中国国内のみならず、上海福喜の親会社である“欧喜投資(中国)有限公司”を統括する米国の「OSIグループ」、さらには日本を含めた上海福喜の供給先である外国企業に大きな波紋を投げかけている。

 日本のテレビ局がこのニュースを報じた際に、筆者は「毎度のことだが、中国は懲りない国だね」というもので、驚きもせず、当たり前の事が当然のように起こったという印象で、聞き流していた。中国と長年関わって来ている筆者にとって、中国に消費期限切れの食品が氾濫していることは常識問題で、別に驚くようなことではなかったからである。中国で食品を買う際には、たとえそれが大型のスーパーマーケットであろうとも、生産日と消費期限日を確認するし、日付の書き換えがないかも、目を凝らして見ることが必要である。言ってみれば、筆者は中国の消費期限切れ食品には馴れっこになっていて、上海福喜事件に驚きもしなければ、失望することもなかったのだ。

事件頻発、法律改訂の前に厳罰化へ

 さて、その中国の食品安全に関する最初の法律は、1995年に制定された『“食品衛生法“』であった。その基礎の上に立って2009年2月28日に制定されたのが現行の『“食品安全法”』であり、同法は3カ月後の6月1日に発効している。食品安全法は制定から4年後の2013年に改正へ向けた作業に着手され、2014年6月23日には改正草案が中国の国会に相当する“全国人民代表大会(略称:“全人代”)”の“常務委員会”で初めて審議された。また、同草案は7月2日に全人代のウェブサイトに掲載され、7月31日締め切りで国民の意見を聴取することになっていた。従い、遅くとも来年には食品安全法の改定が行われるものと思われる。

 一方、食品の安全を脅かす事件が多発していたことから、食品安全法の改定に先行して、“最高人民法院(最高裁)”と“最高人民検察院”は、2013年5月3日に全22条から成る法律『食品の安全を脅かす刑事事件の処理に適用する法律に関するいくつかの問題の解釈』を公布して、食品の安全を脅かす犯罪事件に対して量刑を厳しくし、食品の安全を脅かす犯罪を厳しく取り締まるよう要求した。

 データによれば、2013年に全国の“法院(裁判所)”が受理した食品の安全を脅かす犯罪事件は合計2366件で、そのうち結審したのは2082件、判決が確定した人数は2647人であった。これは2012年の受理件数1235件、結審1105件、判決が確定した人数1512人を上回り、史上最高の記録だった。ここで注意して欲しいのは、上記の数字はあくまで裁判所が受理した犯罪事件に限定されていることである。中国では裁判所が地元の有力企業や有力者の関係企業に対する提訴を意図的に受理しないことが多数あり、受理されなかった件数は受理された件数を遥かに上回るものと思われる。

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「「消費期限切れ」に厳罰は効くか」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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