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「中国の大災難はすでに避ける方法がない」

農業破壊が招く混乱、飢えた人々が溢れる

2014年8月22日(金)

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 8月中旬、中国メディアは夏に入って以来続いている深刻な干ばつに関するニュースを度々報じている。遼寧省、山東省、河南省、陝西省、安徽省、湖北省、甘粛省、新疆ウイグル自治区など12の省および自治区では極めて深刻な干ばつに見舞われているという。8月中旬の時点における全国の干ばつによる農作物の被害面積は7200万ムー(約479.3万ヘクタール)以上に達し、そのうちの56万ムー(約3.7万ヘクタール)は収穫が望めない状態になっている。中国の耕地面積は公表されている最新の統計(2009年)では20.3億ムー(約1.4億ヘクタール)となっているから、干ばつによる被害面積はまだ総耕地面積の3.5%に過ぎないが、今後も長期間にわたって降雨が望めないようなら、被害面積は急激に拡大する可能性がある。

 8月13日付のニュースサイト“華爾街見聞(ウオールストリートジャーナル中国語ネット)”は、「中国の多くの地域が大干ばつに見舞われ、食糧生産は試練に直面」と題する記事を掲載した。同記事の要点は以下の通り。

各地で「観測史上最低の降水量」を記録

(1)遼寧省“気象局”によれば、遼寧省の7月1日から8月12日までの平均降水量は完全な気象データが残る1951年の同時期以降で最低を記録し、過去63年間で最も深刻な干ばつに見舞われている。その影響は遼寧省の“大連市”、渤海湾を挟んでその対岸にある“葫芦島市”や“朝陽市”などの地域に及んでおり、一部の田畑は収穫が望めない状況となっている。気象部門の予想では、遼寧省は8月中・下旬ともに降水量は望み薄で、干ばつの範囲はさらに拡大することが見込まれ、夏だけでなく秋も干ばつに見舞われたら、農業生産は大きな影響を受ける可能性が高い。現在、遼寧省気象局は「重大気象災害(干ばつ)Ⅲ級緊急指令」を発動し、56カ所の「土壌水分ステーション」の観測頻度を高めると同時に、218基の人口降雨ロケット発射システムと3機の人工降雨飛行機を全て待命状態に置いて非常事態に備えている。

(2)重要な商品食糧基地である吉林省でも、多数の食糧生産を担う“県”が深刻な干ばつに見舞われている。そのうち、“長嶺県”、“農安県”、“公主嶺県”など10カ所の「食糧生産大県」の降水量は1951年以来最低で、一部の地区では収穫が見込めない状態になっている。吉林省“気象台”の台長によれば、7月1日から8月12日までの全省の平均降水量は113.1ミリで、平年同時期に比べて48%少なく、歴史的に見て2番目に少ない。吉林省政府のデータによれば、全省で干ばつの被害を受けている面積は629万ムー(約41.9万ヘクタール)で、そのうち“白城市”、“松原市”、四平市”などの食糧の主要生産地が中度から重度の干ばつに見舞われている。今後10日間の全省平均降水量は10ミリ前後で、例年同時期の42.4ミリに比べて明らかに少なく、干ばつ面積はさらに拡大し、干ばつの程度は引き続き深刻なものとなろう。

(3)中原の食糧大省である河南省も大規模な干ばつに見舞われていて、全省で農作物が干ばつの被害を受けている面積は2300万ムー(約153.3万ヘクタール)を上回っている。河南省“防汛抗旱指揮部(洪水防止旱魃対処指揮部)”の情報によれば、今週河南省の大部分はじりじりと焼け付くような高温を持続し、降雨の兆候は露ほどもなく、全省の干ばつはより一層激化することが予想される。河南省の降水量は過去の同時期に比べて60%少なく、1951年以来の最低を記録している。目下、河南省の貯水総量は28.38億立方メートルで、例年よりも13.5億立方メートル少なく、全省の小型ダムの35%は干上がり、中小河川の50%以上は流れが絶えている。

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「「中国の大災難はすでに避ける方法がない」」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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