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教皇フランシスコの訪韓、国中が熱狂した5日間

2014年8月21日(木)

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 8月14日から18日までローマ法王フランシスコが韓国を訪問した。法王が韓国で見せた素朴な行動や言葉は、カトリック信者でない人にも深い感動を与えた。韓国メディアは連日、「韓国中が教皇に癒された」と報道した。教皇が韓国を訪問するのはこれが3度目のこと。ヨハン・パウロ2世が1984年と1989の2度、韓国を訪問している。

 カトリックは1549年、イエズス会宣教師のフランシスコ・ザビエルによって日本に伝えられた。だが、韓国に伝わったのは日本より遅い朝鮮時代中期(18世紀)である。中国を訪問した朝鮮の使臣らが、中国語で書かれたカトリックの本「天主実義」を持ち帰り、西学(西洋の学問)として研究したのがその始まりとされている。韓国のカトリックは、外国人宣教師が直接もたらしたのではなく、中国を経由して人から人へ自然に広がったことが大きな特徴と言える。

 イ・スンフンが1784年、朝鮮人として初めて洗礼を受けた。北京でのことだ。その後、同氏が韓国に戻り、信仰共同体を作ったことで、カトリックは韓国中に広がった。1845年には朝鮮人初の神父が生まれた。祖父の世代から隠れカトリック信者であったキム・デゴン神父である。同神父はヤンバン(貴族)の出身だ。

 朝鮮王朝はカトリックを禁じ、信者を見つけると処刑した。朝鮮時代には貴族と平民との間に明確な身分の差があった。「神の下で人間は皆平等である」と考えるカトリックは朝鮮王朝にとって不都合な存在だった。朝鮮王朝は1866年、カトリック信者に対する大々的な迫害を始め、1万人以上を処刑した。

 それでもカトリック信者は増え続けた。韓国天主教中央協議会によると、2013年末時点の信者は約500万人で、人口のほぼ10%に当たる。法王庁によるとアジア地域のカトリック信者は全人口の約3%。韓国はアジアの中ではカトリック信者が多い国と言える。

 今回の法王の訪韓では、カトリック信者でない人も法王の話に耳を傾けた。法王の訪韓中、韓国メディアのトップニュースは法王に関するものばかりだった。法王フランシスコは権威主義の意識がなく、とても質素な生活し、弱者・貧者の立場で社会改革を求める発言をよくしている。このため、カトリック信者ではない韓国の人々もとても尊敬している。

セウォル号事件の被害者遺族に手を差し伸べる

 法王庁が発表した法王フランシスコの訪韓目的は「司牧」、つまり、伝道やミサに参加するのための訪問である。8月15~17日に行われた第6回アジアン・ユース・デーと列福式に参加するのが最も大きな目的であった。アジアン・ユース・デーは、世界の23カ国から青年カトリック信者が2000人以上集まる大きなイベントである。

 それでも韓国政府は法王フランシスコを国賓同様に礼遇した。14日午前には、朴槿恵大統領自ら法王をソウル市の軍用飛行場に出迎えた。大統領官邸が主催する公式歓迎行事を行った。この場にはセウォル号惨事の犠牲者家族も参加した。

 法王は15日、胸に黄色いリボンをつけていた。このリボンはセウォル号惨事の犠牲者を忘れないという意味を持つ。セウォル号惨事は裁判も捜査も進展がないまま、少しずつ人々の関心から遠ざかっている。法王フランシスコは韓国訪問中に何度もセウォル号惨事の犠牲者家族に会った。事故捜査の進展を願い、一部の犠牲者家族に対して、法王自ら洗礼を行った。洗礼を受けた遺族は、十字架を背負い、ダンウォン高校(安山市)から珍島、大田市までを歩いた人たちだ。ダンウォン高校は大量の犠牲者を出した学校。珍島はセウォル号が出発した港。大田市で行われたミサで、法王は犠牲者を悼む祈りを捧げた。遺族は7月8日から8月14日まで1カ月以上をかけてこの道を歩いた。

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「教皇フランシスコの訪韓、国中が熱狂した5日間」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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