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なぜ今、独禁法強化なのか

外資排除? 民族企業保護? 市場開放への先鞭?

2014年9月10日(水)

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 中国が急に独禁法違反取り締まりを強化していることは大手メディアの既報にあるが、ではなぜ、今になって強化しているのか、という分析についてはあまり出ていないように思う。単なる外資いじめ、国内企業保護なのか、あるいはその先にビジョンがあるのか。実は中国の専門家の間でも習近平政権のこの急激な独禁法強化の評価については意見がわかれている。

 今回は独禁法強化の背景について中国メディアに散見する意見をまとめてみたい。

日系企業のみならず、政治的選択の色濃く

 中国国家発展改革委員会が8月20日、日系自動車部品・ベアリング企業12社に対して独占禁止法違反があったとして、うち10社に対して独禁法施行2008年以来最高額の制裁金計12億元を課すと発表した。住友電気工業に対する約2億9040万元を筆頭に、デンソー、ジェイテクト、古河電気、三菱電機、矢崎総業などが制裁金を支払っている。日立オートモーティブシステムズや不二越は独禁法違反を自ら申告し、同業者の価格操作の実態について情報を提供、リニエンシー制度により制裁金を免除された。現地の駐在日本人に聞けば、日立系列の北京駐在員は半ば冗談で半ば本気で「すみません、裏切り者です」などと言って笑いをとっているとか。ビジネスの世界は、非情なので、誰も文句はいえないのだが、内心、コノヤローと思っている人は多いとか。

 この独禁法強化のターゲットは日系企業だけではない。フォルクスワーゲン傘下のアウディ、BMW、ダイムラーなどが調査を受け、制裁対象になる可能性が出ている。マイクロソフトに対しても、ソフトの抱き合わせ販売が独禁法違反容疑だとして中国国内4都市にある同社オフィスに国家工商行政管理総局のガサ入れがはいるなど、かなり強引な調査が行われた。マイクロソフトに関してはもう少し深い背景があると見られており、それ以前のウィンドウズ8禁止令なども含めて、米国製OSを通じた中国側の米国への機密情報漏れ懸念や、サイバー攻撃問題や貿易摩擦を含めた米中対立の代理戦争的な意味合いがあるという意見もある。

 中国携帯電話市場を牛耳っていた米半導体大手クアルコムへの調査は昨年暮れから始まっていたが、その制裁金が10億ドルを超えるという見込みも報じられていた。クアルコムと中国側の協議はまだ続いており、その間、独禁法委員会メンバーの張昕竹・中国社会科学院研究員がクアルコムから600万元の金銭を受け取ったために解任されたというスキャンダルもあった(当事者は否定)。自動車保険を中心とする浙江省の損保会社23社が違反だと認定されたケースの中には大手中国企業・中国太平洋財産保険浙江支社も含まれているので、必ずしも外資系企業排除だけが狙いというわけでもないようだが、もともと不完全な市場経済の中国で、フェアな市場競争が行われているわけでもないのだから、この独禁法違反取締強化のターゲットはかなり政治的に恣意的に選択されているようにも思われる。

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「なぜ今、独禁法強化なのか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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