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韓国、低金利時代で家計負債が急増

利子所得が減り高齢者は生活苦に

2014年9月24日(水)

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 韓国銀行(中央銀行)によると、韓国の銀行の平均定期預金金利は7月末時点で年2.47%、6月より0.08ポイント下落し史上最低となった。大手銀行の場合、1998年には年20%だった1年定期預金の金利がどんどん下がり、2013年には年4%台、2014年には2~2.47%程度まで落ちた。韓国銀行の基準金利は現在2.25%で、2008~2009年のグローバル金融危機以来、低金利が続いている。基準金利は日本でいう政策金利で、他の銀行は韓国銀行の基準金利に沿って預金や貸出の金利を上げ下げする。

 金利2%は日本の定期預金に比べるとかなり高い数字ではある。しかし韓国の物価上昇率を考えると、実質マイナス金利になっている。例えば1年定期預金が年金利2%だとしても、受け取った利子に利子所得税(15.4%)がかかるので、手取りは年1.69%程度になる。7月時点の物価上昇率は年1.9%なので、銀行に預金するより、物価が上がる前に何かものを買った方がよさそうな気がする。

 第2金融と呼ばれる全国各地の信用金庫や貯蓄銀行の1年定期預金の金利はまだ年2.9%前後で、普通の銀行より少し高い。しかし、第2金融は経営破綻するところが多く、預金したお金が全額戻らないかもしれないリスクを常に抱えている。

韓国政府は金融緩和の方向

 預金の金利が下がるにつれて、銀行の貸出金利も下がった。7月の住宅担保貸出金利は6月より0.05ポイント下落して年3.53%、少額貸出は6月より0.07ポイント下落して年5.22%になった。

 韓国メディアは、韓国銀行が10月以降また基準金利を下げるのではないかと見ている。景気回復が遅れ消費が伸び悩んでいるからだ。金利が下がれば、不動産やビジネスの投資が増える。投資が増えると雇用も所得も増える。預金する代わりに、株などに投資する人が増える。その結果、景気が良くなると見ている。

 韓国銀行のデータを見ると、金利が下がった2014年7月の1カ月間、韓国主要7銀行の家計向け貸出(住宅担保貸出や少額貸出など個人に対する貸出)は約5兆7000億ウォン(約5700億円)にのぼった。1~7月の総貸出金額は前年同期と比べると3倍に近く増えている。2013年1~7月には7兆7000億ウォン(約7700億円)だったものが、2014年同期は23兆8000億ウォン(約2.4兆円)に拡大した。

 韓国政府は、家計負債が増えることは好ましいという姿勢を取っている。その分消費が増え、不動産売買も増えるので、産業全般の拡大につながる。社会全般にお金が回る--という理屈だ。韓国政府は8月から住宅価格の70%まで、年間所得の60%まで銀行から個人に貸出できるよう規制を緩和した。今までは地域によって貸出できる上限が異なった。ソウル市の場合は不動産価格と年間所得の50~60%程度まで貸出できた。規制を緩和したことで、8月以降さらに家計負債が増える可能性が高い。

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「韓国、低金利時代で家計負債が急増」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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