2014年9月20日の午後、河北省の各市・区・県に所在する“黄金佳集団有限公司”(以下「黄金佳集団」)の本部、支店およびチェーン店は、地元の公安局によって差し押さえられた。河北省“廊坊市”の黄金佳集団本部の正門脇の壁には「差し押さえ」を知らせる“公告”が張り出されたが、それは下記の内容であった。
【公告】
黄金佳集団は違法経営の容疑により、すでに冀中公安局渤海分局により立件・調査され、本店舗は法律に照らして差し押さえられた。被害者は渤海分局“刑警大隊(刑事警察大隊)”へ届け出て下さい。
届出先:任丘市渤海路××号(事業所東北角、清水湾酒店西側)
連絡電話:0317-277××××
「ミニゴールドバー」で庶民の投資を集める
ところで、その違法経営の容疑で店舗の差し押さえを受けた黄金佳集団とはどのような企業なのか。中国語サイトでネット検索した結果、以下のことが判明した。
【1】黄金佳集団(HJJGOLD INVESTMENT GROUP)は2003年に起業した企業で、ハイテク産業、金銀投資、近代的農業を3本柱として規模を拡大し、2007年6月に黄金佳集団を設立した。黄金佳集団は「栄誉、国家、使命」を企業の中核的価値観として位置付け、“産業報国”を志し、果敢に開拓とイノベーションに挑み、産業の繁栄、国家の富強、“人民(国民)”の幸福に力を尽くし、「中華民族の偉大な復興」<注1>に貢献することを標榜している。黄金佳集団は全国に全額出資および持ち株の子会社を2000社近く持ち、その業務範囲は、貴金属、近代的農業、小型家電、インターネット通信、ソフト開発、信託担保、不動産などの幅広い領域に跨っている。
【2】黄金佳集団の本業は「金の売買」を通じた投資である。特に“黄金佳迷你金条(黄金佳ブランドのミニゴールドバー)”は、黄金佳集団が国家外観設計専利(国家認定の外観設計パテント)”を持つ、重さはわずか1g、サイズは14.0×10.1×0.6mmと極小のゴールドバーで、同集団が他社に先駆けて販売を開始したものであった。このミニゴールドバーの価格は300元(約5300円)と安い上に、黄金佳集団は彼らが販売する金製品(ゴールドバー:1g、2g、5g、10g、1oz、2oz、5oz、10oz 金貨:5g、1oz)<注2>をいつでも買い取ることを条件に付けていた。ミニゴールドバーなら、今まで金投資は金持ちのやることと考えていた一般庶民でも購入が可能である。ミニゴールドバーは庶民の金投資への垣根を取り払うことに成功し、黄金佳集団の業績向上に貢献し、一躍黄金佳集団を金取引業界の雄へと押し上げたのだった。なお、黄金佳集団は“北京市”と廊坊市に本部を持ち、“天津市”、広東省の“深圳市”、陝西省の“西安市”、遼寧省の“大連市”などの大中都市に十数カ所の支店を置き、各支店の傘下にチェーン店を置いたが、チェーン店は中国全土に3000軒以上に上っている。
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