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米国流「スローなファストフード」の物語

「エシカル・ビジネス」とマス時代の終わり

2014年10月22日(水)

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「イン・ン・アウト・バーガー(INOB)」の店の看板。店舗は幹線高速道路沿いに立地していることが多く、高速を走りながら遠くからでも見えるように高い看板が建つ。この看板と、X型に交差したヤシの木がINOBの目印

 マクドナルドが何かと槍玉に挙がるのは、日本だけではない。本国アメリカでも「不健康」とのイメージがこびりついている。

 ソーシャルメディアでは、ティーンの間で「牛の目玉まで混ぜている」などのデマが流れる(出典:愚息)事態となっており、従来からサラダなど健康志向メニューを取り入れるといった種々の努力をしている。さらに10月13日には、創業以来初めて肉加工場に報道カメラを入れ、消費者の質問にソーシャルメディアで答える「トランスペアレンシー」キャンペーンを開始した(関連記事:マクドナルドが危ない橋を渡り始めた)。

 一方、あらゆる面で「非マクドナルド」的であることで有名なバーガーチェーンがある。カリフォルニア州を主要拠点とする「イン・ン・アウト・バーガー(INOB)」である。

 店には冷凍保存設備がなく、フライドポテトは生のジャガイモをその場で切って揚げる本物志向。それなのに値段はそれほど高くない。味付けは「秘密のソース」、メニュー表にない「シークレット・メニュー」、ドリンクカップに印刷されている謎の「聖書の章名」、ハリウッドの著名人ファンなど、数々の「神話」に包まれ、店舗が少ないことも手伝って一種の「カルト」となり、新しい店がオープンするたびに長蛇の列ができる。一店舗当たりの売上では常に全米上位にランクされ、従業員に高めの給与を払うことでも知られる。

 海外展開はしていないため、日本で知っている人は少ないが、最近の日本での「外食産業の人手不足」の状況もあり、アメリカの外食産業のこんな流れをちょっと考えてみたい。

 なお、本章における私の秘密でないソースは、ステイシー・パールマン著「In-N-Out Burger : A Behind-the-Counter Look at the Fast-Food Chain That Breaks All the Rules 」(2010年刊)である。

エシカル・ビジネスの躍進

 同店のメニューはものすごくシンプルで、基本的にはハンバーガーとポテトとドリンクしかない。メニューのバラエティーは、チーズやトマトの有無など基本素材の組み合わせの違いだけで、「フライング・ダッチマン(=さまよえるオランダ人、パンなしで肉とチーズだけ)」などといった「シークレット・メニュー」も、ちょっと変わった組み合わせというだけだ。

 シリコンバレーといえば、全米でも突出した健康志向な土地柄で、アンチ・マクドナルド派が多い。それなのに、サラダもヨーグルトもなく、ハンバーガーとポテトしか出さないINOBを悪く言う人に出会ったことがない。休日やランチ時は、いつも家族連れやビジネスマンで店は賑わっている。

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「米国流「スローなファストフード」の物語」の著者

海部 美知

海部 美知(かいふ・みち)

エノテック・コンサルティングCEO

ホンダ、NTT、米ベンチャー企業を経て、1998年にエノテック・コンサルティングを設立。米国と日本の通信・IT(情報技術)・新技術に関する調査・戦略提案・提携斡旋などを手がける。シリコンバレー在住。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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