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中国人観光客が韓国経済の救世主?

2014年10月22日(水)

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 10月1~7日は中国の国慶節で大型連休であった。韓国観光公社によると、この7日間の連休に韓国を訪問した中国人観光客は約16万4000人。前年同期の11万8000人より4万6000人ほど増えた。10月3~5日は韓国の連休も重なり、仁川空港やソウル市内の免税店、繁華街の明洞は足の踏み場もない混みようだった。

 明洞は平日でも中国人観光客が多く、ほとんどのお店が中国語を話す店員を雇っている。看板からチラシまでどれも中国語だ。明洞周辺の道路は中国人観光客を乗せた大型バスの駐車場になってしまった。ソウル市内には地元韓国の顧客より中国人観光客を優先するデパートや免税店もあり、韓国の主婦らは「買いものできる場所がない」と不満を漏らしている。

 観光地では、中国人観光客のマナーの悪さが問題になっている。特に困っているのは中国人観光客専用の観光名所になってしまった梨花女子大だ。

 イファ(梨花)が中国語の利發(お金を稼ぐ)と発音が似ているとかで、中国では梨花女子大学で写真を撮ると運が良くなるという噂が広がっているらしい。そのせいで中国人観光客の団体がひっきりなしに同大学の中に入っていく。建物を見学するだけならいいが、女子大生を盗撮したり、講義中の教室を覗いたりする中国人観光客があまりにも多く、学生らはテレビのニュース番組やラジオ番組で何とかしてほしいと訴えている。

中国人観光客が使うお金は前年比2倍の14兆ウォン

 しかし韓国はマナーより観光収入を選んだ。韓国政府と旅行業界、小売業界は中国人観光客を熱烈に歓迎している。買い物好きな中国人観光客が落としていくお金が、韓国経済に大きく貢献しているからだ。

 韓国政府は2015年上半期から、中国人観光客がインターネットでビザを申請・取得できるよう制度を改める。現在は中国にある韓国領事館を訪れてビザを申請する必要がある。ビザの発給まで3~5日はかかる。インターネットでビザを申請・取得できるようになれば、中国人観光客が領事館に行く面倒もなくなり、2日でビザが受け取れるので思い立ったらすぐ韓国に遊びに行けるようになる。

 さらに、韓国政府は中国人観光客向けのケーブルテレビチャンネルも2015年に新設することにした。韓国に住む外国人向けに既に、24時間英語放送「アリランTV」チャンネルがある。これの中国語バージョンを新たに作る。韓国政府は、中国人観光客が好きな買い物とカジノの両方を楽しめる大規模なリゾートを首都圏内に新設する案件も許可した。

 韓国政府は、中国人観光客が韓国で不便がないよう、中国人観光客を案内する韓国旅行代理店に対して、観光ガイドのレベルを向上するよう要請した。観光バスや宿泊施設も点検するという。街中のボランティア通訳も増やし、無料の観光ガイドアプリにも力を入れている。

 観光政策を担当する文化体育観光部(部は省)の傘下にある韓国文化観光研究院は、韓国を訪問する中国人観光客は2014年に589万人に達し、彼らが韓国で使う金額は前年比2倍に当たる14兆2000億ウォン(約1.4兆円)になると予測した。同研究院は、2014年に中国人観光客が宿泊や流通業などに与える経済効果(生産誘発効果)は23兆2000億ウォン(約2.3兆円)で、韓国のGDP(国内総生産)の1.6%に当たるとも予測した。同研究院は、中国人観光客が今後10年は韓国の内需を潤すと見ている。

 韓国観光公社の調査によると、中国人観光客の1人当たりの平均支出は約230万ウォン(約23万円)で、外国人観光客の平均より1.3倍多いという。2014年は平均支出額がもっと伸びそうだ。2014年の国慶節の場合、中国人観光客が連休の7日間に韓国で使った金額は約3960億ウォン(約400億円)だった。景気が落ち込む中、ホテル、免税店、化粧品、キッチン家電(炊飯器、ミキサー)など中国人観光客に関連する産業は、売り上げが右肩上がりに伸びている。ソウル市内では、中国人観光客をターゲットにしたビジネスホテルの建設ブームが巻き起こっている。利用客の減少に悩んでいた地方空港も、中国人観光客を乗せたチャーター便のおかげで生き返った。

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「中国人観光客が韓国経済の救世主?」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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