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韓国の広義の失業率は10%に近い

国民の体感と合わせるために統計に新概念を導入

2014年10月31日(金)

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 今年5月に韓国の聯合ニュースに「失業率は低いのに失業者が多い理由は」と題する記事が掲載されました。この記事は、政府が発表した2014年4月の失業率は3.9%ですが、実際の失業率はこれを大きく上回る11.1%であると主張しています。そして根拠として、公式統計では失業者にカウントされない潜在的失業者が213万人存在することを挙げています。

 潜在的失業者は、就業を断念した者、就業の準備をしている者、働いているものの追加して働きたいと思っている者などが含まれます。潜在失業者を公式統計上の失業者数である103万人に加えれば、失業率が3.9%から11.1%に跳ね上がるというわけです。

 このニュースは日本でも多数引用され、韓国の失業率は日本よりはるかに高いといった誤解まで招いているように見えます。そこで今回は、まず、韓国の失業率の動き、韓国の失業率の定義を確認した上で、失業率は国際基準に基づいて作られており、国際比較の点からは、韓国の失業率は低いことを示します。ただし国際基準に基づいて作られている失業率が、人々が体感する雇用状況と異なるとの批判があることは事実です。このため、韓国ではこれまでの失業率に加え、広義の失業率を公表することを決めました。

 以下では、(1)韓国の失業率の現状、(2)韓国の失業率の定義、(3)新しい失業統計の順で説明していきます。

世界的に見ても低い失業率

 第一に韓国の失業率の現状です。まず1999年以降における韓国の失業率の推移を見てみましょう。韓国では1997年に通貨危機に見舞われ、その後の深刻な不況の影響により失業率が急上昇しました。しかし景気のV字回復とともに失業率も低下し、2001年中盤以降は概ね3%台で推移しています。2014年は日韓の失業率はほとんど同じ水準ですが、2000年以降、韓国は日本より1%ポイント以上失業率が低い状況が続きました(図1)。

図1 日韓の失業率(季節調整値)
(出所)韓国は統計庁データベース、日本は総務省統計局ホームページにより作成

 次に国際比較をしてみましょう。OECD加盟国における2005~2008年の失業率の平均値を見ると、OECD平均値は7.3%です。34カ国中、最悪はスペインの15.3%で、10%を超える国が6カ国です。韓国はというと、低い方から2位、ノルウェーに次ぐ低失業率となっています(図2)。以上から、韓国の失業率は世界でも低水準であると判断することができます。

図2  OECD加盟国の失業率(2005~2012年の平均値)
(出所)OECDデータベースにより作成

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「韓国の広義の失業率は10%に近い」の著者

高安 雄一

高安 雄一(たかやす・ゆういち)

大東文化大学経済学部教授

1990年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、調査局、外務省、国民生活局、筑波大学システム情報工学研究科准教授などを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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