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なぜ役人は墓荒らしから遺体を買ったのか

動機は「火葬件数のノルマ」

2014年11月7日(金)

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 中国に「“死者為大, 入土為安(死者は尊敬を受け、埋葬されて安らぎを得る)”」という格言がある。これは、人は死んだら何もかも全て終わりということを意味している。ところが、世の中には死骸で金儲けしようという、罰当たりで、人の道に外れた輩(やから)がいて、死者もおちおち永久の眠りについていることができない。広西チワン族自治区“玉林市”の新聞「玉林日報」は2014年11月1日付で、2014年7月に“偸尸売買(死骸を盗んで売買した)”容疑で逮捕された男3人の身柄が“北流市”<注1>の公安局から検察院へ移送されたと報じた。

<注1>“北流市”は広西チワン族自治区の東南部に位置する玉林市の管轄下にある“県級市(県レベルの市)”。常住人口は113万人で、市の東部で“広東省”西部の“高州市”と“化州市”と境を接する。

死者の安らぎ守る見張りの目もくぐり

 玉林日報が報じた事件の全容は以下の通り。

【1】ここ数年来、北流市南部の“清湾鎮”や“六靖鎮”などの一帯では、新しい土葬の墓が盗掘され、墓に埋葬された死骸が消え失せるという事件が頻発していた。

(1)清湾鎮“龍南村”の村民である“李某”は、その妻が2012年11月25日に病死したため、山の頂上に“墳(土まんじゅうの墓)”を作って棺桶に入れた妻の遺骸を埋葬した。それから1年後に、同じ村の仲間が墓の土がひどく崩れているのを発見したので、2013年11月に李某が妻の棺桶を埋め直そう墓を掘ったところ、棺桶の中にあるはずの妻の死骸は盗まれて消えていた。

(2)同じ龍南村の“陳某”は2012年9月19日に逝去し、家族が自宅の裏側にある山の頂上に“墳”を作って棺桶に入れた陳某を埋葬した。墓から死骸が盗まれるという噂が流れていたので、埋葬後は家族が時間を決めずに度々墓を見に行っていた。埋葬から10日目の早朝は大雨が降ったので、家族は警戒を緩めたが、案の定、その日の早朝に墓は暴かれ、棺桶の中にあったはずの遺骸は盗まれていた。同じ村の村民が早朝2時頃に、村の道路の分岐点で死骸を背負った男を見かけ、男が車に乗るのを確認してから、自分の車で追跡したが、隣接する広東省“高州市”<注2>の“宝圩(ほうう)鎮”付近で見失った。

<注2>“高州市”は広東省西部の“茂名市”の管轄下にある“県級市”。

【2】周辺の鎮では死骸の盗難が頻発し、人々は不安な日々を送っていた。地元の公安局に死骸の盗難を届け出る家族もあれば、どうしようもないと諦める家族もあったし、犯人が捕まった後で初めて墓から死骸が盗まれたことを知った家族もあったのだった。2014年6月29日、六靖鎮“石寨村”の村民である“顧某”が、81歳の祖父の死骸が墓から盗まれたと地元の公安局派出所へ届け出た。顧某の祖父は3月29日に亡くなり、4月2日に石寨村の傍らにある“独田嶺”という山に埋葬した。死骸泥棒が出没していると聞いていたので、死骸の盗難を防ぐべく、埋葬2日目から親族は独田嶺の麓で順番に見張りを行った。2カ月が経過しても何も起こらなかったので、親族は警戒を解き、毎日早朝に墓を見に行くことにした。ところが、6月27日の早朝、親族は独田嶺の麓にオートバイのタイヤ痕と足跡が残されているのを発見し、墓が荒らされているのを発見した。2カ月も墓を見張ったのに、最終的に死骸は盗まれてしまったのだった。

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「なぜ役人は墓荒らしから遺体を買ったのか」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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