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自宅に押し入った窃盗犯を脳死させた青年に懲役刑

正当防衛は認められないの?

2014年11月12日(水)

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 この頃、韓国メディアやネット上で話題になっているキーワードの一つに「脳死泥棒」がある。

 韓国のチュンチョン地方法院(法院は日本の裁判所に当たる)の判事は10月24日、自宅に押し入った56歳の窃盗犯を殴り脳死させたとして、20歳のA氏に懲役1年6カ月を言い渡した。この青年は「暴力行為等処罰に関する法律」違反で検察に起訴されていた。

 この事件が起きたのは今年3月のこと。A氏が明け方に帰宅したところ、家中の照明がつけっぱなしになっていた。同氏が不審に思いつつ中に入ったところ、家中を物色している窃盗犯を見つけた。自宅には母親と姉の2人しかいなかったため、窃盗犯が性的暴力を加えようとしたのではないかと思い、逃げようとした窃盗犯の顔や頭を20分近く殴った。窃盗犯は意識不明の重体となり、救急車で病院に搬送された。11月になっても、意識が戻らずにいる。

 当初、韓国内では、A氏を擁護する意見の方が多かった。「もし自分だったら、A氏と同じことをしていただろう。自宅で不審者を見つけた時、その人が窃盗目的なのか、凶器を持った強盗なのか、ポケットに何か入れて逃げようとしているのか、そのまま逃げようとしているのか、それを判断してから防衛する人はいないだろう。何をされるか分からないから、家族を守るためには必死に殴りかかって捕まえるしかない」。

 ところが、チュンチョン法院の判決文は、「被害者は凶器を所持しておらず、抵抗せず逃げようとした。これに対して被告人(A氏)は被害者の頭を室内物干しやベルトといった凶器でひどく殴り、被害者を事実上の植物人間にした。これは窃盗犯に対する防衛行為の度を超えている。被害者が窃盗犯である事情を考慮しても、(A氏の暴力は)容認できるものとは言い難い」と指摘。

 「被害者の兄は、被害者の治療費(約200万円)を負担することができず、それを苦にして自殺。被害者の遺族である甥は被告人(A氏)を厳罰に処するよう求めている。このような事情から被告人に実刑を宣告するのは避けられない」と判決を下した。

 つまり窃盗犯は凶器を持っていなかったのに、家主であるA氏は室内物干しという凶器を使って窃盗犯を殴ったので正当防衛ではないという裁判結果になったのだ。

判決に対するさまざまな意見

 韓国ではこの判決に対する反発の声が大きくなっている。

「法は泥棒の味方なのか? どうして正当防衛にならないのか」

「自宅に押し入った窃盗犯を逃がしてやらないと実刑になるなんて。このような判決は犯罪を増やすだけだ」

「窃盗犯に『凶器は持っていますか?』『抵抗するつもりですか? 逃げますか?』と先に聞いてから防衛しろということなのか」

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「自宅に押し入った窃盗犯を脳死させた青年に懲役刑」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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