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村人を殺す工場の排ガス、止まらず

抗議の声を阻む成長至上主義の壁

2014年11月14日(金)

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 2014年11月6日の早朝、貴州省“遵義市”の管轄下にある“桐梓(とうし)県燎原鎮”の“油草村”で、同村“天馬組”の村民“趙水丘”が「がん」で死亡した。享年51歳だった。趙水丘は油草村で生まれ育ち、地方へ出稼ぎに行ったこともなく、長年にわたって農業に従事していた。これより先の10月18日には、油草村“紅籽(こうし)組”の“牟朝江”が65歳で死亡したが、死因は白血病であった。油草村で過去2カ月間に村内の化学工場が排出する有毒ガスによって死亡したのは7人で、牟朝江は6人目、趙水丘は7人目の犠牲者だった。

排出基準の達成実現のはずが…

 桐梓県は貴州省の省都“貴陽市”から北に約200kmに位置し、16の“鎮”と8の“郷”からなる。2012年末の戸籍人口は71万5319人であり、このうち農業人口が86.5%を占めている。桐梓県に属する燎原鎮は人口約1万8700人で、油草村を含む7つの“村”で構成されている。その油草村にあるのが問題の化学工場“桐梓煤化工(石炭化学工業)”である。桐梓煤化工は国有企業である“貴州赤天化集団”傘下の企業として2007年5月に設立された“貴州金赤化工有限責任公司”によって建設されたもので、その総投資額は約48億元(約845億円)。2007年7月28日に工場建設の起工式を行い、4年の歳月を経て工場が完成し、2012年1月10日に試運転に成功したのだった。

 桐梓煤化工の主要製品は、合成アンモニア(年産:30万トン)、メタノール(年産:30万トン)、尿素(年産:52万トン)であり、副産物として硫酸アンモニウム(年産:10万トン)、硫黄(年産:2万トン)が生産される。この工場はエンジニアリング会社“北京化福工程有限公司”が、地元の貴州省で産出される“煤(石炭)”を原料とし、「石炭・水スラリー気化技術」を採用して建設したものであった。この工場は貴州省の重点建設事業である「三大石炭化学工業基地」の一つで、環境保護に力点を置き、資源とエネルギーの高率利用、廃棄物と汚染物の環境保護的処理と排出基準達成の実現を確保したはずのものだった。なお、桐梓米化工の原料となる石炭の年間消費量は、“原煤(原炭)”150万トンとされる。

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「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「村人を殺す工場の排ガス、止まらず」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官