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中国人が愛した高倉健

文化の力、再考

2014年11月26日(水)

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 日本を代表する名優・高倉健さんが亡くなった。この訃報に接した中国人の反応のものすごさに、予想はできたとはいえ、やはり驚いた。中国のSNS微博では「さよなら、杜丘(代表作『君よ憤怒の河を渉れ』の役名)」などと哀悼のコメントが殺到。新華社も中国新聞社も健さんへの敬意と惜別の念を込めた評伝記事を配信。外交部報道官は定例記者会見で「高倉健先生は中国人民がよく知る日本のアーチストであり、中日文化交流促進のために重要で積極的な貢献を果たした」と異例の哀悼コメントを出した。日本大使館には人気俳優の孫淳や作家で「単騎、千里を走る」のプロデュースにも関わった王斌の両氏連名で供花が贈られてきた。王斌氏は今年9月に「わが精神の師・高倉健」と題したコラムをニュースサイトで発表しており、「単騎、千里を走る」の撮影後に北京で健さんと会ったときの感動を綴っている。もちろん、若いネットユーザーの間では、「高倉健って誰? 蒼井空なら知っているけど?」みたいな反応もあるのだが、多くの中国人にとっては、「高倉健」以外に「高倉健」に相当する存在はない、永遠の「男神」(アイドルを越えた憧れへの尊称)と言っていいだろう。彼は中国人にとって特別な存在だった。なぜ特別なのか、それを分析する記事もたくさんでていて興味深い。今回は中国人の高倉健考を紹介したい。

文革の影に重ね合せて

 中国人の70年代生まれ以前の人間が初めて「高倉健」に遭遇するのは、十中八九は「君よ憤怒の河を渉れ」(中国語タイトル『追捕』)の杜丘冬人であった。『追捕』は1978年、文化大革命の冬の時代が終わり、かの国の人々が初めて出会う外国映画。娯楽といえば洋板劇(革命劇)ぐらいしか見ていなかった中国人にしてみれば、山で熊と闘ったり、新宿西口を馬を暴走させて機動隊を突破したり、という奇想天外なストーリーにさぞ度胆を抜かれたことだろう。なにより、冤罪を着せられ追い詰められる健さんこと杜丘の境遇は、文革で冤罪に苦しめられた記憶をもつ人々の共感を得たし、中野良子演じる奔放で小生意気なヒロイン・真由美は日本人女性のそれまでのイメージを一新した。残念ながら78年放映当時は、中野良子さんの美しいヌードシーンはカットされたらしいが、以降「真由美」は山口百恵さんと並んで日本人女性の一つの典型的なイメージとなっており、「日本人女性? すると名前は真由美か?」などといまだに地方のタクシー運転手から尋ねられたりする。

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「中国人が愛した高倉健」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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