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変化する大学の役割、米国の“実情”

「大学の実学化」とはどういう意味か

2014年11月28日(金)

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米マサチューセッツ州にあるハーバード大学のキャンパス(AP/アフロ)

 日本では、大学教育をもっと実践的な内容に編成し直すべし、「G(グローバル)」と「L(ローカル)」に区分すべし、といった話が最近話題になっているやに聞く。私事だが、筆者の長男は現在受験真っ最中で、アメリカの大学を受けているので、直接関係ないとはいえ、何となく気になっている。

 「大学の実学化って、いい考えじゃなーい?」と気楽にツイートしたら、日本の方にものすごく噛みつかれてしまったのだが、アメリカにおける大学の「多様な区分」というのは、悪くないのではと思うところもあり、これから子供を大学に送り出す親としての見方を少々お話ししてみたい。

リサーチ大学とリベラルアーツ大学

 日本で報じられるアメリカの大学の話というと、ものすごく学費が高いこと、名門大学の熾烈な入学競争、それが格差社会を助長していること、などといった「話として面白い」ことがもっぱら語られているように思う。これらはいずれも事実なのだが、ものすごく大きくて多様なアメリカの「大学シーン」のごく一部にすぎない。

 海外から子供をアメリカの大学に入れようと必死になっている親御さんたちの中には、「ハーバード」しか知らない人が少なくない。知っていてもほかの大学は無価値と思っている人もいる。

 だから、ハーバードには世界中から頭脳優秀な受験生が殺到する。私の韓国系の友人は、子供の希望進路も個性も無視して無理やりハーバードに入れようとする韓国の親たちの風潮を嘆き、何とか子供たちを助けようと、その子に合った大学を勧める米国大学進学コンサルタントをやっている。

 東のハーバードと西のスタンフォードの2大名門校では、学部の合格率(受験者全体数に対して、大学が入学許可を出す合格者の比率)が5%台(US News & World Reportのランキングによる)であり、ほかの名門大学と比べても格段に低い。背景には、「記念受験」的な動きに加え、こうした世界の親の風潮もありそうだ。

 一方で、事情通のアメリカ人受験生の間では、「ハーバードを蹴って、(多分日本の人なら聞いたこともない)小さな大学に行く」というケースも見かける。

 理由はいろいろあるが、一つの大きなファクターは「リサーチ大学vs. リベラルアーツ大学」の区分だ。

コメント14件コメント/レビュー

実学は大学である必要はない。大学を実学化するのではなく、大学とは名ばかりの学校を専門学校に「格下げ」すべきだ。その上で、実学に特化する。18歳の人口は減り、大学全入となるが、大学へ行くべきではない人間が進学している。なんでもアメリカかぶれが偉ぶっているが、ドイツやフランスの制度を参考にすべし。アメリカの大学制度を勧めているが、ヨーロッパの大学制度を、教育制度を知った上で言っているのか、単にアメリカしか知らないのではないか?小生はアメリカの州立大学に留学したが、特に優れているとは思わなかった。(2015/01/02)

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「変化する大学の役割、米国の“実情”」の著者

海部 美知

海部 美知(かいふ・みち)

エノテック・コンサルティングCEO

ホンダ、NTT、米ベンチャー企業を経て、1998年にエノテック・コンサルティングを設立。米国と日本の通信・IT(情報技術)・新技術に関する調査・戦略提案・提携斡旋などを手がける。シリコンバレー在住。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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実学は大学である必要はない。大学を実学化するのではなく、大学とは名ばかりの学校を専門学校に「格下げ」すべきだ。その上で、実学に特化する。18歳の人口は減り、大学全入となるが、大学へ行くべきではない人間が進学している。なんでもアメリカかぶれが偉ぶっているが、ドイツやフランスの制度を参考にすべし。アメリカの大学制度を勧めているが、ヨーロッパの大学制度を、教育制度を知った上で言っているのか、単にアメリカしか知らないのではないか?小生はアメリカの州立大学に留学したが、特に優れているとは思わなかった。(2015/01/02)

就社するという形態(実態)である以上、学生がどれだけ学んだとしても、それを会社の方が利用できるのか?という疑問が付きまとう。つまり、学んだことを活かせる職場に配属される人もいれば、そうでない人もいるという事。つまり、本当に社会が求めているのは何か?が結局、大学のブランド名だけであれば、実学化が仮に良いことだとしてもいつか息詰まってしまうだろう。(2014/11/29)

おおむね筆者の意見に賛成です。もっと職業校的な大学があって良いし、オーストラリアのTAFEのような学校があっても良い(TAFEは公立の職業訓練校ですが、ここから大学に進学する人もいます)。ただし大きな問題があります。日本は多くの人が他者の目を意識しながら同じ方向に進もうとしたがる、極めて「付和雷同性」が強い社会であることです。だから、職業訓練的な大学と研究至上的な大学、あるいは地域密着型大学とグローバル志向大学を作ったとき、9割が後者を志望してしまうことがあり得ます。かつての工業高校が底辺校化していったのも、多くの高校生が大学への進学を視野に、普通高校を志望したことが大きいのではないでしょうか。その選択はイメージや親の希望の反映でしょうが、実際のデータからも、日本では大手企業の終身雇用社員のみが、収入面では圧倒的に有利であることがわかります。住宅ローンの組みやすさ一つとってもこれは明らかです。つまり、大学の多様化は、終身雇用の廃止、同一労働同一賃金、人材の流動化促進などとセットで行う必要があると思います。(2014/11/29)

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三品 和広 神戸大学教授