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韓国政府がソウル一極集中の是正に取り組む

新たな取り組みより、継続が大事

2014年12月10日(水)

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 韓国政府は12月2日、地方の経済活性化を目標とする「地域発展5カ年計画」を発表した。12月4~6日には大統領の諮問委員会である「地域発展委員会」が、同計画の内容を解説するセミナーと、地域経済を活性化した事例を紹介する展示会を開催した。

 日本でも「地方創生」という言葉をよく耳にする。少子高齢化により若い人口が減少する中、首都への一極集中を緩和し、活力を失った地域経済をどう生き返らせるかは、日韓に共通した課題である。韓国も急ピッチで高齢化が進んでいて、人口は今の5000万人をピークに減り続けると見込まれている。人口を維持するためには、首都圏に偏ることなく韓国全土を発展させ、地方にも人が集まるようにしないといけない。しかし今のところ、地方にはこれといった企業も仕事もない。若い人は仕事を求めてソウルに集まるしかない。

 韓国は日本以上に人口がソウルに一極集中している。統計庁の人口データによると、2012年時点で全人口の49.4%が首都圏に住んでいる。1970年までは農村の人口が多く、首都圏には人口の28.3%しか住んでいなかった。だが、経済が成長するのと共に首都圏の人口は伸び続け、ついには人口の半分がソウルとソウルを囲む仁川市、京畿道(道は日本でいう県)に住むようになった。

 これを解消するため韓国政府は2004年「国家均等発展特別法」を制定し、「第1次地域発展中長期計画」を立案した。この計画に基づいて、行政機関を地方に移すための「セジョン新都市」建設が始まった。主な省庁をソウルから車で1時間30分ほど離れたセジョン市に移転することで、公務員の引っ越しを促し、ソウルの人口を減らすのが目的だった。しかし公務員の多くは子供の教育を理由にソウルから離れようとせず、高速バスで通勤している。

地域発展計画進めるほど格差は拡大

 韓国は大統領が変われば政策も変わる。李明博大統領が就任した後、2009年からは「第2次地域発展中長期計画」が始まった。今度は韓国全土を7つの区域に分けて、その地域ごとに代表する産業を育てるというものだった。そして朴槿恵大統領が就任してから、2014年末に第3次地域発展中長期計画に当たる「地域発展5カ年計画」が登場、今度は全く逆で地域を小さい単位に区切ってサポートする政策に変えた。

 2004年から国家均等発展特別法で地方を発展させるという計画が実行に移されたにもかかわらず、首都圏と地方都市の間にある所得格差は広がるばかりである。現代経済研究院が2014年11月に発表した資料によると、韓国の16地方都市のジニ係数(社会における所得格差を測る指標)を比較したところ、地域差は2000年の0.17から2012年の0.20に拡大した。この値は0に近いほど格差がなく、1に近いほど格差が大きいことを意味する。行政機関が移転したセジョン市や、自動車工場や大手企業の下請け部品工場が密集している蔚山市(ウルサン)などは地域総生産が大きいが、その他の地域では景気が悪くなるばかりだった。国際比較すると、2010年時点のジニ係数は、OECD加盟国の平均が0.16、韓国が0.21。韓国における地域差が他に国に比べ大きいことがわかる。

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「韓国政府がソウル一極集中の是正に取り組む」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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