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白血病の息子を救おうと人間サンドバッグになった父

小児白血病患者200万人、高額治療費に苦しむ

2014年12月26日(金)

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 2014年11月29日付の北京紙「京華時報」は第12面の北京特集ページ「北京・“熱線(ホットライン)”」に、「白血病の息子を救うため、父親が“人肉沙包(人間サンドバッグ)”になる」という驚くべき見出しの記事を掲載した。「サンドバッグ」とは、円筒状の袋に砂を詰めたものを指し、打撃中心の格闘技の練習用に使用するものである。「人間サンドバッグ」とは一体どういうことなのか。京華時報は12月9日付でも関連記事を掲載したが、一連の記事を取りまとめると、その概要は以下の通り。

「10元一拳」治療費110万元のために

【1】11月28日、北京地下鉄“国貿站(国貿駅)”のE出口の前に1人の男性が緊張した面持ちで、出口を背にして立っていた。彼の服装は白い長袖のTシャツにGパンというラフなものだったが、そのTシャツの胸には赤色のマジックで「“10元一拳 人肉沙包(1撃10元 人間サンドバッグ)”」と書かれていたし、彼の前には台に載せた段ボールの“募捐箱(募金箱)”が置かれ、その下には多数の医院が発行した診断書が張り出されていた。募金箱に張られた説明書きには、男性の名前は“夏軍”で、「白血病を患った2歳の息子を救うための募金を集めるべく、人間サンドバッグになるので支援をお願いする」とあった。いぶかしげに彼の前で足を止めた人々は募金箱に張られた説明書きを読み、募金をする者もあれば、よくあるお涙頂戴詐欺だと一笑に付して立ち去る者もあった。

【2】31歳の夏軍は四川省東北部にある“南充市”の住民。昨年10月に息子の“果果”が頻繁に風邪の症状や発熱を繰り返し、身体に赤い発疹が出るようになった。病状を心配した夏軍とその妻は息子の果果を連れて、南充市から200km以上離れた成都市まで出向き、婦人科・小児科専門の“四川大学華西第二医院”で診察してもらった。その結果、果果は急性骨髄性白血病(AML)にかかっていると診断されたのだった。白血病の治療には骨髄移植が一般的だが、それにはドナーと患者のHLA(ヒト白血球抗原)の型が6個の全て合致しなければならないことになっている。ところが、夏軍もその妻も「HLA半合致」と判定され、成都では治療が困難として北京で治療を受けることを勧められた。

【3】2014年7月、本格的な治療を受けるため、夏軍とその妻、妻の母の3人は果果を連れて北京へ出て来た。北京では3軒の医院を巡り歩いた末に、“航天中心医院(別名;“北京大学航天臨床医学院”)”の“血液科”で11月17日と18日に果果の手術を終えることができた。ところが、それまでに要した治療費は70万元(約1350万円)を超えていた。一方、手術を終えたと言っても、今後は拒絶反応、感染症、再発という危険性を乗り越えなくてはならず、その期間は約2年半を要するのだという。主任医師の“王静波”によれば、白血病は低リスク群、標準リスク群、高リスク群の3つに分類されるが、果果は高リスク群に属し、年令も小さいので、器官の機能も未発達で、機能不全を引き起こし易いのだと言う。従い、薬剤の投与を正確に行うことが肝要であり、治療には一定の困難が伴う。このため費用も自ずと高くなり、手術後の治療費には少なくとも40万元(約770万円)以上が必要となる。

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「白血病の息子を救おうと人間サンドバッグになった父」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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