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韓国でたばこが大幅値上げ

国民の健康のため? それとも「庶民増税」?

2015年1月15日(木)

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 2015年1月1日より韓国政府はたばこを1箱2500ウォン(約270円)から4500ウォン(約490円)に値上げした。値上げ分はすべて税金とそれに準じる負担だ。昨年の大晦日は、値上げ前にたばこを買いたい人が続出したせいか、どのコンビニにも「○○(たばこの銘柄)売り切れ」の張り紙が貼ってあった。

 韓国のたばこ代は、4500ウォンのうち73.7%の3318ウォンが税金である。たばこ消費税が1007ウォン、地方教育税が443ウォン、健康増進負担金が841ウォン、付加価値税が409ウォン、個別消費税と消防安全交付税が合わせて594ウォン、廃棄物負担金が24ウォンである。政府予算を審議する国会予算政策処は、たばこ値上げにより2015年は5兆ウォン(約5500億円)ほど税収が増えると見込んでいる。

 韓国政府は、たばこ値上げは国民の健康のためだと主張している。たばこを値上げすれば喫煙率が減る、という考えからだ。韓国政府はたばこの価格を値上げすると同時に、全国の自治体が運営する保健所で禁煙クリニックを無料で運営することにした。禁煙するためのカウンセリングが無料で受けられ、禁煙補助治療剤(ニコチンガムやパッチ)も無料で入手できる。

 保健福祉部(部は省)によると、1月1日から6日の間に、全国保健所の禁煙クリニックに登録した人は3万6725人、前年の3倍以上に達したという。2月からは病院が運営する禁煙クリニックに通う人にも国民健康保険公団が禁煙補助剤購入費を補助することにした。

飲食店と公共施設は全面禁煙

 さらに、韓国政府は1月1日から全国の飲食店、ネットカフェ、バス停などの公共施設を全面禁煙にした。2015年からは分煙も禁止し、飲食店内に喫煙コーナーを置くこともならないとした。飲食店の前に室外喫煙コーナーを置くのは違法ではないが、通行人が多く健康被害の恐れがある場合は設置を禁止する。

 飲食店で喫煙した場合、店主は170万ウォン(約19万円)、喫煙した客は10万ウォン(約1.1万円)の過怠料を科す。電子たばこもたばことみなし、禁煙区域で吸ってはいけない。新年早々、喫煙しようとする客と、それを止めようとする店主の間でトラブルになる場面を何度もみかけた。

たばこ値上げは庶民への増税

 野党の新政治民主連合はたばこの値上げに反対し続けている。これまでは「たばこの値上げ=健康増進負担金の値上げ」で、増税分は保健分野の予算として使った。ところが今回の値上げは、たばこ消費税と地方教育税を大幅に値上げし、今までたばこには賦課されなかった個別消費税を追加した。このため、新政治民主連合をはじめとする野党側は「国民の健康のためではなく、手っ取り早く税収を増やすためたばこを値上げしたにすぎない。増税なき福祉を実現するという朴槿恵大統領の公約はどうなったのか」と批判している。

 野党側は、「たばこ値上げは庶民増税。法人税の値下げを元に戻せ」という立場だ。野党側は、「統計庁のデータを見ると、韓国政府は2008~12年まで財閥大手企業の法人税40兆ウォン(約4.4兆円)を減免した。2013年以降も法人税減免は続いている。税収が足りないと言う前に法人税減免をなくせ」と主張している。

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「韓国でたばこが大幅値上げ」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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