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習近平の軍隊、秋にお披露目

日本を挑発、「自衛隊撃滅」を指示

2015年2月12日(木)

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 習近平政権は今年の「抗日戦勝記念70周年」の9月3日に、大閲兵式をやるらしい。すでに全人代常務委の承認も得ているらしい。新中国になってから、大閲兵式はこれまで14回やっているが、抗日戦勝記念日にやるのは初めてである。普通は国慶節(建国記念日、10月1日)にやるのであって、文革後は1984年の国慶節に鄧小平が25年ぶりに大閲兵式を復活させたあと、建国50周年の1999年、60周年の2009年に江沢民政権、胡錦濤政権がそれぞれ行ってきた。これまでの例にのっとって考えれば、習近平政権が大閲兵式を行うのは2019年の国慶節のはずである。それをこの抗日戦勝記念70周年の9月3日に行うということはどういうことなのか。ちょっと考えてみたい。

「早くも軍を掌握」を誇示か

 そもそも9月3日を国定記念日に制定したのは2014年、習近平政権である。習近平政権は2014年だけで、日中戦争に関わる記念日を3つも作った。9月3日の抗日戦争勝利記念日、9月30日の烈士記念日、12月3日の南京大虐殺犠牲者国家哀悼日。烈士記念日についてはアヘン戦争以降の民族と国家のために犠牲になった烈士全体をたたえる記念日らしいが、事実上、日中戦争で戦って散った兵士たちを指している。抗日戦争勝利が共産党の執政党たる正統性の根拠になっているので、党の求心力を高めるための記念日設定だといえる。だが、習近平はその自分で決めた記念日に、初めての大閲兵式を執り行うとは、なんとも不敵ではないか。しかも習近平は政権の座についてからわずか3年目である。江沢民政権も胡錦濤政権も大閲兵式は政権二期目に入ってからだった。一般に政権一期目は、権力闘争に明け暮れており、二期目になって漸く軍を把握できたという自信が出来て、初めて閲兵式を行うものなのだ。とすると、習近平は早くも軍を掌握したという自信があるということになる。

 興味深いのは、2月2日の新華社記者と解放軍報記者の連名での署名記事「政治建軍の時代新編-『新たな形成のもとでの軍隊政治工作に関する若干の問題に対する決定』誕生記」だ。

 4000字ほどの記事だが、そこで突出しているのは軍の統帥権が習近平にあることの強調である。「軍隊はいかなる時のいかなる状況であっても、党中央と中央軍事委と習主席の指揮に従わねばならない」。はっきりと習近平主席の指揮と、言い切った。普通なら習近平同志を中心とする党中央とか、そういう表現である。「軍隊政治工作」に関する決定文書が出されたのは1999年以来。胡錦濤政権はこの種の決定を出していない。その理由は、胡錦濤は実質、軍が把握できていなかったからだ。軍の実権は江沢民派閥の徐才厚、郭伯雄といった中央軍事副主席制服組が握っており、中央軍事委主席というトップの肩書をもっていても胡錦濤は中央軍事委の会議の席で人形のように座っているしかなかった、という。

コメント11件コメント/レビュー

改憲や軍事力の強化が中国の日本侵攻の口実を与える、というコメントがあるが、それは逆である。中国の狙いは日本領土の侵略によって共産党政権の国内における地位を磐石にすると同時に資源の確保にある。また、彼らの弱点は戦争に勝ったことがないことから来る自信のなさと軍隊の士気の低さである。したがって、まずはなるべく安全なところから成果を得たいと願っており、そのためには先制的な武力行使ができない現状の日本の法体系はなんとか堅持させたいと考えているはずだ。結局、的確な軍事力と法整備は侵略者のあらぬ野心を抑制する上で必要なことであり、これを軽視すれば却って地域の安定を損なうことになる。(2015/02/13)

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「習近平の軍隊、秋にお披露目」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

改憲や軍事力の強化が中国の日本侵攻の口実を与える、というコメントがあるが、それは逆である。中国の狙いは日本領土の侵略によって共産党政権の国内における地位を磐石にすると同時に資源の確保にある。また、彼らの弱点は戦争に勝ったことがないことから来る自信のなさと軍隊の士気の低さである。したがって、まずはなるべく安全なところから成果を得たいと願っており、そのためには先制的な武力行使ができない現状の日本の法体系はなんとか堅持させたいと考えているはずだ。結局、的確な軍事力と法整備は侵略者のあらぬ野心を抑制する上で必要なことであり、これを軽視すれば却って地域の安定を損なうことになる。(2015/02/13)

以前仕事で知り合った中国人は自国の盛大な軍事パレードについて、国威発揚もあるが自国民に対して暴動抑止の効果も狙っているのだと言っていた。また、上はやるぞ、やるぞとしきりに言うが、実際に命をかけて戦うという兵士はどれだけいるのか、とも。極端な格差社会である中国の上と下の意識の乖離は想像以上のものがあり、上層部の人間と外国に住むその子弟だけが安全に暮らせるような今の中国で、庶民にとって一人っ子が戦争で命を落とすなど考えられないというような話であった。もちろん、すべての中国人が同じ考えではないだろうから油断は禁物であり、わが国は万全の備えが必要であることに変りはない。ただ、こういった中国の内情面も的確に捉える必要があるだろう。(2015/02/13)

習近平が軍を掌握し、大々的な軍事パレードをしようが何しようが、日本は別に震え上がっておびえて行動を控えたりはしないだろう。そんなことは今に始まったことではなく、核ミサイルの照準を東京にあわせられたときから、軍事力で競いあう気などさらさらなかったからである。中国共産党が軍事力の増強を図り、綱紀粛正を進め、強い軍になったら何が変わるというのか。もちろん攻撃に備える必要性はあろう。しかし、それは誰が軍を掌握したかとかではなく、本気で攻撃をしてくる気があるかどうかの方が重要なのではないだろうか。(2015/02/12)

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三品 和広 神戸大学教授